神奈川新聞 | 2023年5月22日(月) 22:19 https://www.kanaloco.jp/news/government/article-991502.html
日本維新の会の松沢成文氏(参院神奈川選挙区)は22日の参院決算委員会で、日本たばこ産業(JT)をロシア事業から撤退させるよう政府に対応を求めた。鈴木俊一財務相は「グループ経営からの分離を含めた選択肢の検討を行っている」と答弁したが、事業運営の方向性については言及を避けた。
財務省の斎藤通雄理財局長の答弁によると、ロシア市場は同社全体の調整後営業利益の約22%を占め、ロシアのたばこ市場における同社のシェアは36・6%(2022年度実績)で首位。ロシア国内に4工場を所有し約4千人の従業員が働いている。
松沢氏は、経済制裁の強化はG7サミットの最優先事項であるなどと指摘し「日本政府はJTに対してロシア事業からの撤退、あるいは事業停止、事業譲渡させるべきだ」と主張。鈴木財務相は「国内外のあらゆる制裁措置と規制を順守している」と述べた。
参考1
JT、ロシア事業は「制裁措置を順守した上で継続」
2023年5月2日 ロイター https://jp.reuters.com/article/jt-russia-bisuness-idJPKBN2WT0DP
[東京 2日 ロイター] - 日本たばこ産業(JT)は2日、ロシア事業について「内外におけるあらゆる制裁措置を順守した上で、事業運営を継続している」との方針を示した。ただ、事態の変化に応じ、必要な意思決定を⾏っていくスタンスに変更はないとした。
JTがグループ全体の調整後営業利益にロシア市場が占める割合は、2022年度実績で22%だった。2023年度通期では約25%を見込んでいる。
加藤信也CFOは、これまでの各国の制裁内容であれば、それに応じた形で基本的に事業の継続が可能との見通しを示し、ロシア事業について「通年で見込んでいる」と述べた。
同社が同日発表した23年1月─3月期実績(IFRS)の営業利益は、前年同期比15.7%増の2064億円だった。主力のたばこ事業で、ロシアや英国など多数の市場での値上げ効果があったほか、為替の円安もプラスに寄与した。
23年12月期通期の連結業績予想を据え置き、営業利益は前年比6.4%減6120億円とした。
参考2 ロシアにおけるウクライナ侵攻に伴う日本企業の影響について(2023.5.1 日本禁煙学会)