健康増進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(参議院) 衆議院厚生労働委員会の附帯決議(後半に) 改正健康増進法・要旨 改正法律文
平成三十年七月十二日 参議院厚生労働委員会
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、既存特定飲食提供施設に係る特例措置については、法施行後できる限り速やかに、当該施設における受動喫煙防止措置の実施状況に関する実態調査等を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。
二、飲食提供施設に係る既存又は新規の区別については、現場の混乱を招くことのないよう、国が指針で判断基準を明確に示すべく、速やかに検討すること。
三、指定たばこによる受動喫煙が人の健康に及ぼす影響に関する調査研究を一層推進し、可能な限り早期に結論を得て、その結果に基づき、必要な措置を速やかに講ずること。
四、第一種施設のうち学校等子どもが主に利用する施設については、特定屋外喫煙場所の状況等の実態調査を行い、その結果に基づき、子どもの受動喫煙が生じることのないよう、敷地内完全禁煙の実施の可能性について早期に検討すること。
五、第二種施設等における喫煙専用室や指定たばこ専用喫煙室の技術的基準については、本法の施行日までに喫煙専用室等を設置する事業者の負担に鑑み、早期に示すこと。その際、喫煙専用室等から流出した煙による受動喫煙が生じないよう、環境工学等の専門家を含めた適切な委員構成の検討会の下で最新の科学的知見に基づいた基準を定めること。また、受動喫煙防止対策に積極的に取り組む中小事業者に対し、費用の助成や税制上の措置等の適切な支援策を講ずること。
六、喫煙可能店から禁煙店への変更を行うに当たっては、当該施設内が受動喫煙の生じない環境にあることを確認することができるよう、受動喫煙が生じない状態に至る状況を条件ごとに調査研究すること。
七、喫煙可能な場所等に掲示する標識については、望まない受動喫煙を防止する観点から、外国人を含む全ての人にとって分かりやすい標識とすること。また、標識の内容、大きさ、掲示場所等について早期に示すこと。
八、保健所の業務量の増大が見込まれることを踏まえ、保健所の体制の更なる充実・強化に努めること。また、運用における手続の簡素化を図るとともに、管理権原者による適切な退出命令の発出など受動喫煙防止対策の実効性を確保すること。
九、第二次健康日本21で示された成人の喫煙率の目標の確実な達成に向け、喫煙をやめたい人への禁煙支援等のたばこ対策の一層の推進を図るとともに、家庭における受動喫煙の機会を減少させるための取組や、妊産婦や未成年者の喫煙をなくすための取組を進めること。
十、従業員が望まない受動喫煙に遭わないようにするため、労使でしっかり話し合い、必要な措置が講ぜられるよう取り組むとともに、管理権原者等が二十歳未満の者を喫煙可能な場所・空間に立ち入らせることのないよう、実効性ある措置を講ずること。
十一、FCTC枠組み条約が求めている「喫煙室のない屋内完全禁煙」実現に向け、課題の整理や周知・啓発に取り組むこと。
十二、個別の受動喫煙防止対策を実施する地方自治体と本法における喫煙・禁煙の区域等の違いで混乱が生じないよう、分かりやすい表示の徹底や、制度の広報・周知に取り組むとともに、地方自治体との情報共有・連携に努めること。
十三、受動喫煙防止対策により、結果として喫煙率の低下及びたばこ消費量の減少が考えられることから、たばこ関連産業で働く労働者の雇用等を注視し、その状況を見極め必要な対策を講ずること。
十四、本法施行後五年を経過した場合の検討規定を踏まえ、本法の施行状況や受動喫煙防止対策の実施状況について取りまとめを行い、適切に公表すること。
右決議する。
健康増進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(衆議院)
平成三十年六月十五日 衆議院厚生労働委員会
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一 既存特定飲食提供施設に係る特例措置については、法施行後できる限り速やかに、当該施設における受動喫煙防止措置の実施状況に関する実態調査等を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。
二 飲食提供施設に係る既存又は新規の区別については、現場の混乱を招くことのないよう、国が指針で判断基準を明確に示すよう、速やかに検討すること。
三 指定たばこについては、WHOでは紙巻きたばこと同様の扱いであることに鑑み、指定たばこによる受動喫煙が人の健康に及ぼす影響に関する調査研究を一層推進し、可能な限り早期に結論を得て、その結果に基づき、紙巻きたばこと同様に取り扱うなど、必要な措置を速やかに講ずること。
四 第一種施設のうち学校等子どもが主に利用する施設については、特定屋外喫煙場所の状況等の実態調査を行い、その結果に基づき、子どもの受動喫煙が生じることのないよう、敷地内完全禁煙の実施の可能性について早期に検討すること。
五 保健所の業務量の増大が見込まれることを踏まえ、保健所の更なる充実・強化に努めるとともに、運用における手続の簡素化、管理権原者が適切に退出命令を発出できるなど受動喫煙防止対策の実効性の確保を図ること。
六 第二次健康日本21で示された成人の喫煙率の目標の確実な達成に向け、喫煙をやめたい人への禁煙支援等のたばこ対策の一層の推進を図ること。
七 喫煙可能な場所・空間において従業員の受動喫煙をできるだけ避けるよう必要な措置を講ずること。
八 FCTC枠組み条約が求めている「喫煙室のない屋内完全禁煙」実現に向け、課題の整理や周知・啓発に取り組むこと。