毎日新聞 2/23(木) 21:36配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170223-00000118-mai-soci
他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙対策について、厚生労働省のがん対策推進協議会(門田守人会長)は23日、建物内禁煙を基本とする実効性のある法整備を求める意見書をまとめ、門田会長らが塩崎恭久厚労相に手渡した。受動喫煙対策の法整備では自民党内で意見対立が続いているが、意見書は「防ぐことができる受動喫煙で、病気のリスクを上げている現状は見過ごせない」と、公共の場で受動喫煙ゼロを目指す対策を求めた。
2020年開催の東京五輪・パラリンピックに向けて、政府は健康増進法の改正で対策強化を目指している。
意見書は「がんは国民の生命と健康を脅かす重要な問題」と指摘。がんは1981年から日本人の死因1位で、受動喫煙は肺がんのほか脳卒中、乳幼児突然死症候群などの病気との因果関係が科学的に証明されているとし、「受動喫煙防止はがん予防の観点から重要。国民の命を守ることを第一に考え、飲食店を含む不特定多数の人が集まる場所での受動喫煙をゼロにするため、対策を講じてほしい」と訴えた。
同協議会はこの日、来年度からの新しいがん対策推進基本計画の全体目標に、新たに「がんの予防」を加える方向で一致した。門田会長は「がんの一番の原因がたばこ。日本の喫煙率は約20%で、5人に4人はたばこを吸わない。受動喫煙対策はたばこを吸わない人への健康対策であり、(小規模店などを規制の対象外とする)例外的な対応は許されるべきではない」と語った。