4社に1社「全面禁煙」 「完全分煙」6割 県内企業喫煙調査 /神奈川



毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20171116/ddl/k14/020/335000c 


 政府や地方自治体をはじめ企業でも受動喫煙防止対策が進む中、帝国データバンク横浜支店は県内企業の喫煙に関する意識調査を実施した。企業の4社に1社が「全面禁煙」を実施しており、「完全分煙」実施は約6割に上ることが分かった。調査は9月15日から30日まで、景気動向調査とともに県内1000社を対象に実施し、434社から回答を得た。回答率は43・4%。

 本社事業所または主要事業所内の喫煙状況を尋ねたところ、適切に換気されている喫煙場所があるか屋外に喫煙場所を設けている「完全分煙」が57・4%で最も多く、次いで、社内での喫煙を不可とする「全面禁煙」が23・5%だった。以下、屋内に適切に換気されていない喫煙場所がある「不完全分煙」(8・5%)、「特に喫煙制限を設けていない」(5・8%)、決められた時間に指定場所での喫煙が可能な「時間制分煙」(3・9%)と続いた。

 喫煙制限を設けている405社に対し、対策実施による影響を複数回答可で聞いたところ、「職場内がきれいになった」(62・2%)が突出して多く、「安全面が向上した(火事のリスク低減など)」(35・1%)、「喫煙者と非喫煙者の公平性が向上した(業務中のたばこ休憩など)」(23・5%)、「業務の改善・効率化につながった」(11・9%)、「喫煙者からの不満が増えた(集中できないなど)」(7・7%)などが続いた。

 一方、法令や条例によって公共施設だけでなく店舗や事業所、飲食店など不特定多数の人が利用する施設で全面禁煙が実施された場合、業績にどのような影響が予想されるかを尋ねたところ、「影響はない」が69・6%に上った。「プラスの影響がある」は6・2%、「マイナスの影響がある」は7・6%。ただし、「家具類小売り」と「旅館・ホテル」は100%が、「飲食店」は50%が「マイナスの影響がある」と答えており、業種によって全面禁煙の受け止め方に偏りがあった。

 帝国データバンク横浜支店は「医療費の削減や東京五輪開催などを背景に厚生労働省や地方自治体が受動喫煙の規制強化を立案する一方で、緩やかな規制にとどめるべきだという意見も出ている」と指摘。「企業の業績に与える影響を検証するなどエビデンスに基づいた政策立案が求められる」としている。