毎日新聞
東京都は、従業員を雇っている飲食店を原則全面禁煙にする受動喫煙防止条例案を12日開会の都議会定例会に提出した。政府が今国会に提出して審議中の健康増進法改正案よりも厳しく、規制の対象となる飲食店は政府案では全体の45%なのに対し、都案では84%に上る。
飲食店への規制のほか、幼稚園や保育所、小中高校など学校について、政府案では認める屋外喫煙所の設置を禁じている。
一方、加熱式たばこは政府案と同様、専用喫煙室内であれば飲食しながら吸うのを認めた。都は当初、全面的に認めない方針だったが、政府案との整合性を図るとともに飲食店などの業界団体からの要望に応じたという。
東京五輪・パラリンピックを見据え、2020年4月1日までに罰則(5万円以下の過料)を含めて全面施行を目指す。都議会の所信表明で小池知事は「飲食店の喫煙専用室や公衆喫煙所の整備に対する支援を充実させ、喫煙者の嗜好(しこう)や事業者などへの負担軽減にも配慮する」と説明した。
・従業員を雇っている飲食店は原則全面禁煙
・保育所、幼稚園、小中高校など学校敷地内は全面禁煙。屋外喫煙所の設置も不可
・加熱式たばこは飲食店内の専用喫煙室内であれば飲食しながら吸える。健康影響が明らかになるまで罰則は適用しない