毎日新聞
従業員を雇っている飲食店を原則全面禁煙にする東京都の受動喫煙防止条例案が25日、都議会厚生委員会で自民党以外の賛成多数で可決された。27日の都議会最終日の本会議で可決、成立する見通し。
厚生委員会では、自民が飲食店への規制基準について、今国会で成立の見通しとなった政府の健康増進法改正案とほぼ同水準とする修正案、共産は都提出の条例案よりさらに規制を厳しくする修正案をそれぞれ提出したが、いずれも否決された。共産党は都条例案の採決では賛成に回った。
意見表明で、最大会派・都民ファーストの会の岡本光樹氏は「顧客や店の経営の観点ばかりが対象とされてきたが『働く人を受動喫煙から守る』ことを正面に据えたのは画期的な英断」と評価。公明党の古城将夫氏は「(都議会答弁で)小池百合子知事が屋外公衆喫煙所の設置経費を全額補助すると表明するなど、喫煙者に対する配慮もされている」、共産の藤田綾子氏も「(加熱式たばこの規制緩和など)不十分な点もあるが、受動喫煙防止対策を前進させるものとして基本的に賛成」と賛意を表した。
一方、自民の高橋信博氏は「(飲食店で)親族は従業員から除くとしているが、外見では判断が難しく、机上の空論。実効性がない荒唐無稽(むけい)な基準だ」と批判した。