毎日新聞
改正健康増進法が成立したことを受け、神奈川県が専門家や県民の代表などから意見を聞く「県たばこ対策推進検討会」の今年度初会合が27日、横浜市中区で開かれた。2010年に全国初の取り組みとして県受動喫煙防止条例が施行されたが、改正法は県条例よりも厳しく喫煙を規制していることから、整合性を図るよう条例改正を含めて検討していくという県の方針が示された。
改正法は学校と病院、児童福祉施設などを敷地内禁煙としたのに対し、県条例は屋内のみを禁煙としている。また、改正法では客室面積が100平方メートルを超える大規模飲食店を禁煙としたが、県条例は禁煙または分煙と規定。事業用面積700平方メートル以下の小規模宿泊施設についても、改正法は原則屋内禁煙とし、県条例は禁煙または分煙で努力義務としている。
このため検討会は、今後政令や省令で定められる基準を踏まえ、議論するとした。委員からは「国の法律を上回る条例をつくってほしい」「条例は加熱式たばこを一般のたばこと同じように扱っているので、それを維持してほしい」「海外からの観光客が増えているので、観光立県としての姿勢を大切にしてほしい」などの意見が出た。
県は今後、9月に受動喫煙に関する県民意識・施設調査を実施する。来年1月ごろに2回目の検討会を開いて条例改正案と調査結果の速報を報告し、県議会の2月定例会に条例改正案を提出する予定。