厚労省

禁煙連合体に初めて補助金 東京五輪へ加速

毎日新聞

 

 日産自動車や富士フイルムグループなど大企業20社の健康保険組合(加入者・計約57万人)がつくる禁煙共同実施のための連合体(コンソーシアム)に、厚生労働省が初めて補助金を出して支援する。健保連合体は9月6日から、対面診療なしのオンラインによる完全遠隔禁煙外来を始める。連合体の活動が公認されたことで、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた禁煙の動きが加速しそうだ。

 連合体に参加しているのは、他に東京電力、ブリヂストン、オリンパス、日本マクドナルド、丸井などの健保組合。委託された健康支援企業「リンケージ」によると、スマートフォンなどを通じて医師が8週間以内に4回面談。その後、28週間は保健師らがメールで相談に乗り、禁煙継続を確認する。外来終了後も禁煙コミュニティーサイトを運営して体験を共有し、喫煙に戻らないよう支える。

 健保組合による共同実施モデル事業の公募で厚労省は7月末、連合体に3000万円を補助することを決めた。無料または半額補助で来年3月までに500人弱が禁煙外来を受ける見込み。連合体独自での実施を含めると2000~3000人程度になる見通しだ。他にも約20健保が連合体に参加を希望していて、将来的には数万人規模で禁煙外来が実施できそうだという。

 厚労省保険課は「健保組合同士がノウハウを共有し、禁煙の課題を効率的に解決してほしい」と話している。