毎日新聞
松本市は、受動喫煙による健康への影響を防ぐため、歩きたばこの全面禁止や、喫煙ができない区域の指定など、受動喫煙防止対策を本格的に始める。20日開会した市議会2月定例会に松本市受動喫煙防止に関する条例案を提出した。可決されれば7月1日から施行する。
受動喫煙とは、他人の喫煙によって、たばこから出る煙などにさらされること。条例案では、制定の狙いを「未来を担う子どもたちに誇れる受動喫煙のない美しいまちづくりを推進する」と定める。
具体的には、市民らの責務として歩きたばこを禁じる。また、学校や病院、児童福祉施設、公共施設、人通りの多い市街地などを、市長が「受動喫煙防止区域」に指定できるとし、区域内での喫煙を禁じる。区域内で喫煙をした者に必要な指導をすることができるとするが、罰則は定めない。区域内と周辺に指定喫煙所を設け、限られた場所では喫煙できるようにする。
市はこれまで受動喫煙対策として、松本駅お城口広場に「さわやか空気思いやりエリア」をモデル的に設定し、エリア内での禁煙を呼びかけた。だが、エリアについて市民の周知が進まず、エリア外の場所でも対策が進まなかった。「健康寿命延伸都市」を目指す同市として、健康被害防止の観点から、受動喫煙対策強化に踏み切る。