2017.3月1日 18時16分 NHK http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170301/k10010895011000.html 動画あり
受動喫煙の対策として不特定多数の人が出入りする建物の中を原則、禁煙とする法律の内容を検討している厚生労働省は、焦点となっていた飲食店について、バーやスナックなど主に酒を提供する小規模な店に限り、一定の条件の下で規制の対象から外す案を公表しました。
厚生労働省は、3年後の東京オリンピック・パラリンピックの開催を前に、不特定多数の人が出入りする施設を中心に、原則、禁煙とする法案を今の国会に提出する方針で、その案の内容を1日、公表しました。
それによりますと、飲食店やホテルなどの建物の中では壁などで完全に仕切られた喫煙専用の部屋以外は原則、禁煙とし、違反を繰り返した場合は喫煙した人や施設の管理者に罰金を科すとしています。
一方、飲食店の業界から「喫煙室を設置する余裕がない」などと、反対意見が寄せられたことから、バーやスナック、キャバレーなど主に酒を提供する小規模な店に限って、換気などを行うことを条件に規制対象から外すとしています。対象から外すのは、延べ床面積が30平方メートル以下の店を想定しているということです。
一方、酒を提供する店でも居酒屋やレストランなどは、家族連れや観光客も利用するため、規制の対象とするとしています。
また、専用の喫煙室を設ける場合は、たばこの煙が外に漏れないよう、一定の水準を満たすことを条件とするということです。
医療機関や学校は、敷地内を全面的に禁煙とするとしていますが、喫煙室がすでに設置されている場合は法律の施行後5年間に限って使用を認めるということです。
「電子たばこ」については、健康への影響を見極めたうえで、規制対象とするかどうか判断するとしています。厚生労働省は、必要な法律の案を今の国会に提出する方針ですが、慎重論や反対意見が根強く、調整が難航することも予想されます。
厚生労働省は「飲食店は、妊婦や子ども、それにがんやぜんそくの患者も利用するので、受動喫煙をなくすためにも、利用者が限定される施設以外の屋内を禁煙とすることに理解を求めたい」と話しています。