飲食店などの建物の中を原則禁煙とする法案をめぐり、自民党が厚生労働省のたたき台の規制基準を緩和することなどを求める方針なのに対し、厚生労働省は基準の緩和に慎重な姿勢を崩しておらず、双方の歩み寄りが見られるかどうかは依然として不透明です。
厚生労働省は受動喫煙対策として、今の国会に飲食店などの建物の中を原則として禁煙とする法案の提出を目指し、一定面積以下のバーなどを除いて禁煙とするたたき台を示していますが、自民党内に賛否両論があり、調整は難航しています。
こうした中、自民党は8日、茂木政務調査会長や、原則禁煙の推進派と反対派の双方の議員らが集まって対応を協議した結果、喫煙を認める面積などの基準を厚生労働省のたたき台よりも緩和する一方、喫煙を認める店には「喫煙可能」や「分煙」などの表示を義務づけることなどを厚生労働省に求めていくことになりました。
これに対して、厚生労働省は「党内の推進・反対の両派が協議の場についたことは評価できる」としながらも、「自民党案はこれまでのオリンピック開催国の規制と比べて不十分な内容であり、飲食店で働く従業員や家族に連れられた子どもへの受動喫煙被害を防げない」などとして、規制基準の緩和に慎重な姿勢を崩していません。
このため、今後、厚生労働省と自民党の間で歩み寄りが見られるかどうかは依然として不透明です。