WHO=世界保健機関は、近年普及している火を使わない「加熱式たばこ」について、
有害物質が少ないことが強調されているものの、必ずしも健康上のリスクを軽減させ
ることにはつながらないと指摘し、従来のたばこと同じように規制をするよう呼びか
けました。
世界保健機関(WHO)は7月26日、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)の履行に向け、たばこ疾病に関する第7回報告書を発表した。同条約では、禁煙を推進することを加盟国に求めている。その中で、「禁煙推進」として販売促進されている加熱式たばこや、ENDS(電子ニコチン送達システム)、ENNDS(電子非ニコチン送達システム)等について分析を行った。その中でもENDSを大きく取り上げた。
加熱式たばこが、たばこ物質を特殊な装置で加熱してニコチン等を吸引するのに対し、ENDSは、抽出されたニコチンの液状物質を加熱し吸引するタイプ。日本ではENDSは販売されていないが、ニコチンを「効果的に」吸引できる装置となっている。それに対し、ENNDSはニコチン以外の物質を吸引する装置で、こちらは日本でも販売されている。
同報告書は、ENDSの潜在的な有害性については依然として不確実性があるとしつつも、ENDSを禁止していない加盟国に対し、ENDSは有害であり規制すべきと明言した。WHOは、ENDSが従来型たばこの禁煙に本当に貢献するかはまだ確実ではないとしつつ、さらに非喫煙者の若者が新たにENDSによってニコチン吸引を始めるリスクがあると強調した。
WHOは、たばこ規制の強化のため、「MPOWER」と呼ばれるアクションを養成している。MPOWERは、「たばこ使用のモニタリング及び防止政策」「喫煙からの人々の保護」「禁煙支援」「たばこの危険性に関する人々への警告」「たばこの広告、販促、スポンサー提供の禁止」「たばこ税の増税」の各英語の頭文字を採ったもの。ENDSについても、各国政府はたばこもしくはたばこ同等物として扱い、MPOWERの対象とすべきとした。