電子たばこ使用者が呼吸器系の病気に 1人死亡 関連を調査 米

2019年8月24日 11時39分 NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190824/k10012046821000.html

 

アメリカで「電子たばこ」を使ったあと呼吸器系の病気で入院し、1人が死亡したことを受け、CDC=疾病対策センターは病気と電子たばことの関連について調査を進めています。

電子たばこはニコチンや香りの成分を含む液体などを電気で蒸発させて吸うもので、「従来のたばこよりも安全だ」として若者を中心に世界的に広がっています。

アメリカで23日、イリノイ州の保健当局が、先週1週間に22人が電子たばこを使ったあとに呼吸器系の病気で病院で手当てを受け、このうち1人が死亡したことを明らかにしました。

これを受けてCDCは、疾患と電子たばことの関連について調査を進めている、との緊急声明を発表しました。

CDCによりますと、ことし6月28日からこれまでに、全米22の州で電子たばこを使用した193人が激しいせきや胸の痛みなどを訴え病院で手当てを受けたということですが、それぞれの患者が電子たばこを使った頻度や期間については明らかになっていないことから、今後、州の保健当局と協力しながら詳しく調べることにしています。

アメリカでは多くの州で18歳から購入できることから使用が増えていて、高校生の5人に1人が使っているという統計もあり、専門家からは健康や発達への影響が指摘されています。

 参考

・2019.08.23 「加熱式タバコ」に警鐘~米国で多発する電子タバコによる健康被害yahoo 石田雅彦)

 

米国 電子たばこによる呼吸器障害で死亡者


8/24(土) 10:14 片瀬ケイ https://news.yahoo.co.jp/byline/katasekei/20190824-00139640/


電子たばこでついに死亡被害

 米国イリノイ州の公衆衛生局は8月23日、電子たばこによる重篤な呼吸器障害で入院していた人が死亡したと発表した(注1)。同州では先週、電子たばこによる呼吸器障害のために緊急入院した人の数が倍増していた。

 発表時現在の入院患者は22人で、17歳から38歳。患者の症状は咳、息切れ、倦怠感など。また嘔吐、下痢を訴える人もいて、症状は入院前の数週間、あるいは入院後に悪化したという。イリノイ州公衆衛生局は、このほか12人についても、各自治体の保健当局とともに調査を進めている。

 電子たばこによる健康被害は全米で多発している。米疾病予防管理センター(CDC)では、8月22日午後5時現在で、電子たばこ製品の使用が原因と思われる重篤な肺疾患件数は、イリノイ州、ウィスコンシン州、カリフォルニア州、テキサス州など22州で合計193件にのぼったと発表した。数日前の発表では15州で149件だったことを考えると、健康被害が急速に広がっているのがわかる。(注2)

 イリノイ州公衆衛生局長は、「患者の呼吸器障害が深刻な状況であることを鑑みると、電子たばこの使用が危険であることを人々に広く訴える必要がある」というコメントを発表している。

激しい咳と嘔吐と動悸

 筆者の住むテキサス州でも被害がでており、先日、地元のテレビ局(WFAA)も電子たばこの使用が、いかに深刻な肺疾患をもたらすかを報道していた。

 フォートワース市のトリストン・ゾフィールド君は17歳で、高校を卒業したばかり。激しい咳、寒気、吐き気、心臓が飛び出るかと思うほどの激しい動悸を感じ、7月26日に同市のクック小児病院の集中治療室に運びこまれたという。医師が胸部レントゲンをとったところ、急性の閉塞性喚起障害を起こしていた。

 原因を特定するため、感染症や肺炎などの検査もしたが結果は陰性。その後、トリストン君は14歳の頃から、日常的に電子たばこを利用していたことがわかった。医師は電子たばこで吸引していた化学物質のために肺が異常なほど炎症し、閉塞性喚起障害を起こしたものと判断した。

 

 電子たばこの健康被害のため、トリストン君は医療行為によって10日間、昏睡状態におかれ、合計で18日間の入院を経て、やっと退院することができたという。入院中に11キロもやせてしまったため、現在はリハビリ中だが、同級生らに自分の体験を伝えることで、電子たばこの使用をやめるよう呼びかけている。