電子たばこでの呼吸器系疾患 大麻関連物質検出 米センター

アメリカで、「電子たばこ」を吸ったあとに重い呼吸器系の病気になる人が相次ぎ、死亡する人まで出ている問題で、CDC=疾病対策センターは、患者から、大麻を含む電子たばこ製品に使われる「ビタミンEアセテート」という物質が検出されたと発表し、原因の特定につながる成果だとしています。

アメリカでは、電子たばこを使ったあとに重い呼吸器系の病気で入院する人が相次ぎ、患者数はこれまでに2000人を超え、39人が死亡したと報告されています。

アメリカのCDC=疾病対策センターは8日、これまでの調査結果を発表し、29人の患者の肺を詳しく検査したところ、全員から、「ビタミンEアセテート」という物質が検出されたということです。

また、このうち23人からは、大麻に含まれる「THC」という成分や、その代謝物が見つかっていて、20人は、実際にTHCが含まれる電子たばこ製品を吸ったと調査に答えたということです。

「ビタミンEアセテート」は、「THC」を含む製品に粘りけを出すために使われているということで、CDCは「原因の特定につながる画期的な発見だ」としています。

電子たばこは、ニコチンや香りの成分を含む液体などを電気で蒸発させて吸うもので、若者を中心に世界的に人気となっていますが、「THC」や「CBD」といった大麻の成分を抽出したものを吸引するタイプのものもあり、違法な販売や、未成年の吸引が社会問題となっています。

参考 
厚労省:電子たばこの注意喚起について(2019/11/8)