アメリカで電子たばこを吸ったあとに重い呼吸器系の病気になる人が相次ぐなど社会問題となる中、カリフォルニア州は、全米で高いシェアを占める州内の電子たばこメーカーに対し、健康リスクの説明や未成年への販売防止の措置が不十分だったとして訴えを起こしました。
カリフォルニア州が提訴したのはサンフランシスコに拠点を置く電子たばこメーカー「ジュール・ラブズ」です。
訴えによりますと、この会社は電子たばこを販売する際に、がんや妊娠時の悪影響につながる化学物質についての説明を十分にしていなかったほか、未成年に直接販売したり年齢を確認せずに販売したりして州の法律に違反したとしています。
一方、会社側はロイター通信の取材に対し、訴状を見ていないとしたうえで「当局などと協力し、未成年へのまん延を防止するなどして社会の信頼を得ていきたい」とコメントしています。
この会社は、ニコチンの成分を含む液体を電気で蒸発させて吸うタイプの電子たばこを販売し、香りのよさや高いデザイン性などから、全米の電子たばこ市場の7割のシェアを占めるとされています。
アメリカでは、電子たばこを使ったあとに重い呼吸器系の病気で入院する人が相次ぎ、死亡するケースも報告されているうえ、未成年の吸引が急増するなど社会問題となっていて、今回の提訴が今後の議論にどう影響するか注目されます。