道議会新庁舎 喫煙室結論先送り

ことし6月から使われる道議会新庁舎に喫煙室を設置するかどうか協議する道議会各会派の会合が開かれましたが、会派間の意見がまとまらず、結論は来月以降に先送りされました。
道議会の村田議長は25日、各会派の代表者を集めた会合を開き、ことし6月から使われる道議会新庁舎に喫煙室を設けるかどうか協議しました。
会合では、自民党が設置する方針を伝えた一方で、立憲民主党、公明党、結志会、共産党は設置しない方針を伝え、折り合いがつきませんでした。
喫煙室を設置するためには鈴木知事の許可を受けたうえで改修工事を行う必要があり、村田議長は各会派の意見を踏まえて25日までに結論を出す方針でしたが先送りされました。
村田議長は来月上旬に改めて各会派の会合を開き、議会としての結論を出したい考えです
一方、道庁については、鈴木知事が5月をもって喫煙所を廃止し、全面禁煙とすることを決めています。

 

喫煙所「設置」手詰まり 道議会・議長の対応焦点 全会派了承厳しく 知事、強行認めぬ構え

2020/03/17 05:00 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/402971

 道議会新庁舎への喫煙所設置を巡る問題で、村田憲俊議長の対応が焦点となっている。出身会派の自民党・道民会議は控室に喫煙所を設置する方針だが、他会派は反対する姿勢を崩しておらず、設置を容認すれば反発が出るのは必至。是非を最終判断する鈴木直道知事も議会の総意でなければ受け入れない構えで、手詰まり感も漂っている。

 「各会派の意見に隔たりがあるので精査させてほしい」。議長は13日に道議会庁舎で開かれた各会派会長会議でこう述べ、結論を持ち越した。

 議長と各会派会長は25日閉会予定の第1回定例会中に結論を出す方針を確認している。期限が迫っていることから、議長が自らに対応を一任するよう提案するとの見方も出ていた。

 だがこの日も各会派が改めて従来の立場を訴え、会派間の溝は埋まらなかった。自民会派が設置する方針、民主・道民連合は設けない方針をそれぞれ説明。北海道結志会と公明党、共産党の3会派が敷地内完全禁煙を主張した。

 議長は周囲に「第1会派の意見は尊重しなければならない」と漏らし、自民会派の設置方針を容認したい考えをにじませる。ただ一会派の意向で設置を強行すれば、他会派の批判は避けられない。かといって、設置方針を他会派に了承させるのは難しい状況だ。野党ベテラン道議は「議長は各会派の調整役で中立性が問われる」と指摘する。

 仮に設置を強引に決めたとしても展望は開けない。

 議会庁舎は道有財産であることから、議会は知事に設置工事を依頼する必要がある。だが知事は2月14日の記者会見で、自らが6月からの道庁本庁舎の敷地内完全禁煙を決めた経緯を説明した上で、議会の喫煙所設置についても「私の基本的な考え方の中で判断する」と強調した。道幹部は「知事は全会派一致を設置受け入れの条件とする考えではないか」とみる。このため自民会派内には「議長が設置の決定に踏み切るのは難しいのではないか」との見方もある。

 一方、道が提出した受動喫煙防止条例案を巡っては、新型コロナウイルス感染症対策で定例会日程が短縮されたことなどから、自民会派から今定例会での審議を見送るべきだとの声が出ている。