大阪市全域で路上喫煙禁止 来年1月27日から

2024/11月15日 17時39分  NHK https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20241115/2000089215.html

大阪市は、来年(令和7年)1月27日から市内全域で路上喫煙を禁止することになりました。
市は、この日までに140か所の喫煙所を確保することにしています。

大阪市は路上喫煙を禁止する条例を制定し、これまでに市役所の周辺など市内の一部のエリアを禁止区域としてきましたが、大阪・関西万博に向けて環境整備を進めるため、ことし3月に条例を改正して、禁止区域を市内全域に広げることを決めています。
市は、全域で禁止するにあたって140か所の喫煙所の確保を目指して準備を進めていたところ見通しがたったとして、条例の施行を来年1月27日にすることを決めました。
喫煙が禁止となる場所は、市が管理する市内全域の道路や広場、それに公園など公共スペースで、喫煙が確認された場合は、1000円の過料が徴収されます。
また、これまでは加熱式たばこは路上喫煙の禁止の対象になっていませんでしたが、来年1月27日以降は対象になります。
市は、喫煙場所を設けている商業施設や飲食店などの事業者に情報提供を呼びかけていて、今後、市のホームページなどで喫煙できる場所を周知して分煙を徹底することにしています。
大阪市は「市民をはじめ観光客にも路上喫煙の禁止を周知するとともに、喫煙所を整備するなど準備を進めていきたい」と話しています。

【路上喫煙禁止に街の人からはさまざまな声】
大阪市全域で路上喫煙が禁止になることについて、街の人からはさまざまな意見が聞かれました。
かつて喫煙をしていた堺市に住む70代の男性は「喫煙者の方はかわいそうですが、現状としてポイ捨ては多いですし、街がきれいになるのはうれしいです」と話していました。
20代の子連れの母親は「子どもを連れて安心して観光ができるようになるのでいいと思います」と期待を寄せていました。
一方で東京から観光に来た喫煙者の20代の女性は「路上喫煙を禁止にするなら喫煙所をもっと増やしてほしいです」と話していました。

【大阪市路上喫煙禁止条例 これまでの経緯は】
大阪市では、2007年に御堂筋や大阪市役所周辺を路上喫煙の禁止区域に指定して以降、段階的にエリアを増やしていきました。
▽2015年には都島区の京橋駅周辺、▽4年前の2020年には天王寺駅周辺や大阪駅周辺の地域を禁止区域にしました。
大阪市内全域を禁止区域にするにあたって、見回りをする指導員の人数をおよそ60人からおよそ100人に増やします。
さらに、分煙を徹底するため、喫煙所の数を140か所確保し、大阪・関西万博までに300か所まで増やすことを目指しています。

【条例の効果は? 街から期待と懸念の声】
条例の効果は出ているのでしょうか。
大阪市は、主要な駅などで路上喫煙の状況を毎年、調査しています。
条例が施行される前の2006年は、禁止区域となった場所では、通行している人のうち路上喫煙をしていた人はおよそ2.6%だったのが、去年は0.2%まで減っていました。
2015年に禁止区域に指定された京橋駅周辺では、商店街の人たちは路上喫煙の減少を実感しています。
以前は、たばこのポイ捨てが目立っていたということですが、今ではほとんどなくなっています。
京橋中央商店街振興組合の土蔵康司 理事長は「朝、開店するときに店の前を掃除しますが、たばこのポイ捨ては減っているなと感じています。きれいな街を維持できるということで、結果的にはよかったと思います」と話していました。
また、禁止区域になっていない地域からは、全面禁止を歓迎する声が聞かれました。
大阪・ミナミの道頓堀商店街では、「たばこ市民マナー向上エリア」として、自主的に路上喫煙の禁止を呼びかけています。
これまで、警備員が携帯灰皿を持って見回りをしている時期もありましたが、置かれているごみにたばこを捨てて、火事になるトラブルもありました。
道頓堀の飲食店の店員は、「誰かがたばこを吸っていると、ここはいいだろうとみんな吸い始めてしまうので、全面禁止で、この通りがきれいになることを期待しています」と話しています。
一方で、懸念の声も聞かれました。
大阪・中央区難波にある居酒屋では、健康増進法の改正で店の中での喫煙ができなくなったあと、売り上げが1割ほど減ったということです。
現在は、店の外に灰皿を置いていますが、1月からは撤去することも検討することになり、客がさらに減るのではないかと考えています。
居酒屋の店長は「たばこを吸える店に客が流れると思います。喫煙所を作るのか決めていませんが、今のところは、条例に従うしかないです」と話していました。

 

来年1月27日から大阪市内全域で路上喫煙禁止に 条例施行日を発表

2024年11月12日 20時20分 朝日 https://digital.asahi.com/articles/ASSCD36DMSCDOXIE01QM.html



 大阪市の横山英幸市長は12日、市内全域の公道や公有地で路上喫煙を禁止する改正条例を、来年1月27日から施行すると表明した。施行までに、市の要件を満たした指定喫煙所を少なくとも140カ所は確保できる見通しとなったことも明らかにした。

 市議会決算特別委員会で、野上蘭議員(大阪維新の会)の質問に答えた。

 市は2007年に市路上喫煙防止条例を施行。禁止地区での喫煙は1千円の過料としている。

 当初、禁止地区は御堂筋と市役所周辺だけだったが、15年に京橋駅周辺も追加した。18年に大阪での大阪・関西万博の開催が決まった後は、阪急大阪梅田駅やJR天王寺駅周辺も禁止地区に加わった。

 その後、25年春に開幕する万博で国内外から来場者が多く訪れることを見越し、禁止地区を市内全域の路上に拡大する方針を決定。今年3月に条例が改正されており、市長が施行日を決めるとしていた。

 条例施行日に向けて、市は新設で120カ所、改修分も含めて計140カ所の指定喫煙所を整備する方針を掲げていた。民間事業者による整備を促すため、昨年度には補助制度も創設した。

 横山市長は12日、委員会で「新設および改修で140カ所以上、無償での一般開放も含めるとおおむね200カ所の喫煙所を確保できる見通しとなった」と説明した。

 市内の喫煙所をめぐっては、来年4月に府受動喫煙防止条例が全面施行され、30平方メートルを超える飲食店も「専用の喫煙室を設ける」などの対策をしない限り、原則屋内禁煙となる。そのため、府内の飲食店で構成する業界団体が昨年11月、市議会に陳情書を提出し、計画数よりも喫煙所を増やすよう求めていた。

写真・図版 大阪市が公園に設置した喫煙所=2024年7月10日午後、大阪市西区

2024.11.21  大阪市:2025年1月27日より大阪市内全域を路上喫煙禁止とします