進む健康経営/日本新薬 喫煙率ゼロへ情報発信

2022/5/4 05:00    日刊工業新聞 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00635403



 日本新薬は、心身の健康と幸福を意味する「ウェルビーイング」を健康経営のゴールに据える。働きやすさのさらに先にある“働きがい”と“生きがい”のある会社を目指す。2021年10月には「ウェルビーイング宣言」を発出し、健康経営を推し進めている。

 近年、特に注力しているのが喫煙率を下げる取り組みだ。04年の完全分煙からスタートし、20年10月には「日本新薬 健康宣言2020」の発出とともに全社敷地内の喫煙所を撤廃。「22年9月末に喫煙率0%」という目標も設定した。

 喫煙所の撤廃といった環境面だけでなく、工夫を凝らした情報発信も社内イントラネットで行っている。毎月22日は、「2」が白鳥の形をしていることから「スワンスワンデー」とし、1日禁煙を呼びかけるとともに、喫煙対策情報や健康全体の話、禁煙の成功談・苦労話などについて発信。毎月2のつく日にはたばこに関するミニ情報や豆知識を「タバコラム」として配信している。

 21年10月から22年2月にかけては「吸わん杯(カップ)2021」を開催した。同イベントでは、各部門ごとにたばこについての座談会を実施。座談会の内容は各部門長が報告書を作成し、当時の健康推進室(現ウェルビーイング推進課)が壁新聞にまとめた。喫煙者・非喫煙者それぞれの赤裸々な意見を包み隠さず盛り込み、各事業所の壁に掲出した。

 人事部ウェルビーイング推進課の吉田直美課長は「大半を占める非喫煙者も一緒に考え、喫煙者に寄り添えるような取り組みにしたかった」と狙いを話す。18年度に18・6%だった喫煙率は21年度には13・2%まで低下。23年4月入社予定の新卒採用ページに「禁煙する意思のある人」と初めて明記し、継続的な取り組みにしていく。

 喫煙対策のほか、本社では食堂で食べたメニューの成分とカロリーを支払時に表示したり、毎月10日を糖化度測定する日に設定したり、ウオーキングイベントも開催している。今後はこういった食事管理・運動習慣に加えて、睡眠についてもアプローチしていく。