東京都豊島区は子どもの受動喫煙を防止する条例案をまとめた。家庭では子どもと同室内での喫煙を禁止。受動喫煙が防げない飲食店などに子どもを立ち入らせないようにする保護者の努力規定も設けた。違反した場合の罰則は設けない方針。9月に開く区議会に条例案を提出する。
区によると、条例が区議会で可決、成立すれば、子どもの受動喫煙を規制する全国初の条例になるという。2018年4月1日の施行を目指す。
条例案では「家庭等で子どもの受動喫煙防止に努めなければならない」とする保護者の努力義務を盛り込んだ。その上で、喫煙者は家庭などで子どもと同室の空間での喫煙を禁止。子どもが同乗している自動車内でも喫煙を禁じた。
家庭外では保護者は受動喫煙の防止措置が取られていない飲食店やカラオケボックスなどの施設に子どもを立ち入らせないように努めなければならないと明記。学校など子どもが日常的に利用する施設周辺では、喫煙者は子どもの受動喫煙防止に努めなければならないとする努力義務を課した。
条例案に罰則は設けない方針。「継続的に受動喫煙を受けていると疑われる子ども」を発見した人は、区や保健所、区の子ども家庭支援センターに通報できるとした。区などは違反があったと判断した場合は、保護者や喫煙者に再発防止のための指導または助言などができるとしている。
区は7月11日まで条例案に関するパブリックコメントを募集している。担当者は「区民から幅広い意見を受け、条文の形を仕上げていきたい」としている。