2017/7/20 9:21 日経 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM20H0J_Q7A720C1EAF000/
【ジュネーブ】
世界保健機関(WHO)は19日、世界各国・地域の喫煙に関する規制でたばこの害から守られている人が47億人にのぼり、10年前の2007年より4倍以上に増えたとする報告書を発表した。ただ、たばこ産業が全面的な規制を妨害しているとも指摘。日本については国がたばこ会社の一部を所有することへの懸念も示した。
報告書によると、喫煙関連の規制でたばこの害から守られた人は世界の人口の63%に達し、07年の15%から大幅に改善した。WHOは主に新興国や途上国が「たばこ規制枠組み条約」で定められた規制を導入した効果が大きいとしている。
WHOは世界の大手たばこ会社が各国・地域での厳しい規制作りを妨げているとも指摘した。たばこ規制を担当するケルスティン・ショッテ氏は記者会見で、日本政府が日本たばこ産業(JT)の株式を保有することに言及し、「会社の売り上げと国民の健康で利益が相反する特殊な状態にある」と語った。