2020年東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙対策について、東京都の対応が「基本条例」と「罰則付き条例」の2段階で実施される見通しになった。小池百合子知事を支持する与党が家庭内の喫煙制限を努力義務とする条例案を9月の都議会に提出し、成立を目指す。小池知事は禁煙対象施設や罰則を定める条例案を来年2月の都議会に提出する方針で、大会開催前年の19年度中に施行させたい考えだ。
国に先んじて受動喫煙対策に取り組むことで、都の改革姿勢や実行力を示す狙いもありそうだ。
9月の定例会に条例案を提出するのは、小池知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」と公明党。家庭で子どもの受動喫煙防止に努めることを保護者の努力義務とするなどの内容だ。受動喫煙防止の必要性を訴える「基本条例」と位置づけ、罰則は設けない方針。都議会は都民フと公明で過半数を占めるため、条例案の成立は確実な見通しだ。
基本条例を踏まえ小池知事は罰則規定付きの条例制定を目指す。厚生労働省が示した規制強化案をベースとする見通しで、小規模のバーやスナックを除き飲食店や事務所などの屋内を原則禁煙とする内容が軸になる。