2018/4/12 21:43 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29317760S8A410C1TJ1000/
愛煙者が多く訪れる居酒屋も全席禁煙化に動き出した。串カツ田中は12日、全国の店舗の約9割にあたる160店を6月から全席禁煙にすると発表した。政府は受動喫煙対策を義務付けた法案を閣議決定しており、今国会中に提出する予定。外食各社は禁煙席から隔離した喫煙スペースの設置や、完全分煙型に店を改装するなど対応を急ぐ。
串カツ田中は住宅地近辺にも出店しており土曜日、日曜日には子ども連れの家族客も多い。禁煙で一時的な客足の落ち込みも想定されるが、喫煙者が減り、家族層の来客が増えている最近の事情を踏まえ全面禁煙化に踏み切った。
居酒屋他社も試験的に禁煙化を導入している。「塚田農場」を運営するエー・ピーカンパニーは10店舗で全席禁煙店を試験導入。コロワイドは今年に入り全面禁煙の「甘太郎 横浜西口本店」を横浜市にオープンした。
ファミレス「デニーズ」や「ケンタッキーフライドチキン」なども全席禁煙に踏み切っており、外食産業はせきを切って法改正への対応を急いでいる。
政府が3月9日に閣議決定した健康増進法改正案では中小企業を除く店舗で、紙巻きたばこを飲食スペースで吸えなくなる。事業者には受動喫煙対策を義務付け、違反者に罰則も設けた。東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月の全面施行を目指している。
もっとも、居酒屋はたばこを吸う来店客が依然多い。外食産業の業界団体、日本フードサービス協会の聞き取りによると、居酒屋の来店者のうち約3割が喫煙者という。
改正案では、個人や資本金が5千万円以下の中小企業が経営する客席面積100平方メートル以下の既存店は対象外。こうした店は推計で全体の55%を占めるとみられ、利用者の流出も不安材料だ。
居酒屋大手は経営への影響を抑えるため、店舗改装や出店戦略など見直しを求められそう。中小企業と提携する外食サービスが出てくる可能性もある。
【禁煙化に向けた3つの背景】
〔1〕串カツ田中はほぼ全店全席喫煙可でしたが、お子様連れのご家族も多く、ターゲットとしても重要視している中、喫煙可の店内に違和感を覚える意見は多く上がっていました。
〔2〕2018年4月1日から「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」(※4)が施行され、「いかなる場所においても、子どもに受動喫煙をさせることのないように努めよう」とされました。串カツ田中の都内の店舗数が92店舗と都道府県の中で最も多い中、お子様サービスを充実している串カツ田中の在り方を再検討し始めました。
〔3〕2017年「全国たばこ喫煙者率調査」によると、喫煙者率が18.2%と、喫煙者率は減少傾向であること(※5)や、2020年東京オリンピックに向けた受動喫煙防止対策の動き、そして世界各国の飲食店内の禁煙状況を見て(※6)、国内1000店舗体制と串カツを日本を代表する食文化にすることを目標とする串カツ田中として、対策を考える立場にあると考えました。
※禁煙化により、店舗で働く従業員の受動喫煙もなくなり、労働環境も改善すると考えております。店内の面積は平均約66㎡と狭いため、喫煙ルームを設置することは現時点では検討しておりません。