2018/4/26 20:57 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2989094026042018AC8000/
大阪市の吉村洋文市長は26日、2025年国際博覧会(万博)誘致をにらみ市独自の受動喫煙防止条例制定を目指す考えを明らかにした。政府は今国会に対策法案を提出しているが、吉村市長は同法よりも対象施設を広げ、罰則の導入も検討するとした。今夏にも飲食業界や有識者らでつくる検討会を立ち上げ、18年度内に具体的な内容をまとめる。
受動喫煙防止対策として政府がまとめた健康増進法改正案は、客席面積が100平方メートル以下の飲食店は喫煙を認めるなど例外も多い。吉村市長は記者団に「厳格なルールが必要だ」と述べ、面積30平方メートル以下の小規模なバーやスナックを除く飲食店は原則禁煙にする方針を示した。
大阪府・市は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに25年国際博覧会(万博)の誘致を目指しており、技術革新などにより健康長寿を実現する構想を掲げる。吉村市長は25年までに条例を制定し規制を導入したいとした。府にも同様の受動喫煙対策を求める方針で、万博誘致に弾みをつける狙いもある。
ただ、客足が遠のくことを懸念する小規模飲食店などから反発も予想される。市長が想定する規制内容は厚生労働省が当初示した政府の法改正案と同じだが、飲食業界に配慮した自民党の反発で修正を迫られた経緯がある。吉村市長は、今夏にも立ち上げる検討会での議論を踏まえ、段階的な規制強化も検討する。
受動喫煙対策を巡っては、東京都が政府の法案よりも規制範囲を広げた条例の骨子案を示すなど、自治体独自のルール策定を目指す動きが広がっている。