役所や学校、禁煙に 改正健康増進法が一部施行

2019/7/1 10:21 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46788360R00C19A7CR0000/

 

受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が1日、一部施行され全国の学校や病院、行政機関の敷地内が原則禁煙となった。悪質な違反者には罰則が科せられる。東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月には全面施行され、飲食店や職場、鉄道、ホテルのロビーといった多くの人が利用する施設が原則屋内禁煙となる。

改正法は、受動喫煙の影響が大きい20歳未満や病気の人、妊婦らが利用する学校、病院、行政機関、児童福祉施設の敷地内を原則として敷地内禁煙とするよう規定した。

屋内は完全禁煙となる。喫煙者以外立ち入らない区画を設けるなどの受動喫煙防止措置を取れば、例外的に屋外に喫煙所を設置できるが、人事院や厚生労働省は「推奨するものではない」と省庁や自治体に通知している。

各行政機関は法施行に向けて対応を検討し、屋内喫煙所の撤去などの準備を進めた。国の11省の本庁舎のうち、屋外喫煙所を設けない敷地内全面禁煙を選んだのは、文部科学省と国土交通省の2省だけ。法を所管する厚労省は22年春の全面禁煙を目指す。都道府県では秋田や東京、佐賀など10都府県だった。

小中学校や病院は既に敷地内全面禁煙を採用しているところが多い。文科省が17年に実施した調査では、幼稚園、小中高校の約9割が敷地内全面禁煙だった。厚労省の17年の調査では20人以上の入院設備がある病院の約59%が敷地内全面禁煙としていた。現在はさらに増えているとみられる。

最も受動喫煙しやすい場所とされる飲食店は20年4月1日から原則屋内禁煙となる。ただ客席の面積が100平方メートル以下などの条件に当てはまる小規模な飲食店は当面、屋内喫煙が認められた。このため「規制は骨抜き」との批判もある。〔共同〕