2020/1/14 18:02 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54372160U0A110C2CR8000/
たばこを習慣的に吸う人のうち、加熱式たばこの利用者は男性が30.6%、女性が23.6%に上ることが14日、厚生労働省の2018年国民健康・栄養調査で分かった。紙巻きたばこを含めた喫煙率は減少傾向が続いているものの、18年は前年調査から0.1ポイント増の17.8%だった。厚労省健康課は加熱式普及の影響を含め「要因分析をしていない」としている。
政府は22年度までに喫煙率を12%にする目標を掲げている。受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が20年4月に全面施行されることから、同課は「目標達成にむけ、引き続き施策を検討したい」と話している。
調査は18年11月に実施。喫煙率は男性が29.0%(前年比0.4ポイント減)、女性が8.1%(同0.9ポイント増)だった。
(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000584138.pdf 24p)
これまで喫煙率は紙巻きと加熱式を区別しておらず、加熱式の普及実態は不明だったが、今回から喫煙方法を尋ねた。
その結果、喫煙者のうち「加熱式のみ」は男性22.1%、女性14.8%、「紙巻きと加熱式」の併用は男性8.5%、女性8.8%。「紙巻きのみ」は男性68.1%、女性76.1%だった。男女とも20~40代で加熱式の利用者が多く、男性は20、30代で5割を超えた。
調査では4年ぶりに世帯所得と生活習慣の関係も分析。健康診断の未受診率では、世帯所得200万円未満の男性が40.7%、女性が41.1%だったのに対し、600万円以上の男性は16.7%、女性は26.1%と低かった。
喫煙率は200万円未満の男性が34.3%なのに対し、600万円以上の男性は27.3%と低かった。1日の平均歩数も200万円未満の方が少なく、歯の本数が20本未満の人の割合も多かった。前回調査でも同様の結果が出ており、所得による健康格差の解消が進んでいない実態が浮き彫りになった。
一方、前回調査では低所得層ほど肥満の割合が高かったが、今回調査では男女とも所得ごとの肥満率に明確な差はなかった。同省担当者は「高所得層の肥満率が増加したため」と分析している。
30代男女の喫煙、約半数が加熱式たばこ 厚労省調査
たばこを吸っている人のうち、加熱式たばこを使っている人が男性で3割、女性で2割超に上ることが、厚生労働省が14日に公表した2018年の国民健康・栄養調査で明らかになった。男女とも30代では約半数を占めた。この調査で加熱式たばこの使用状況を調べたのは初めて。
調査は18年11月に実施し、20歳以上の男女約6500人から回答を得た。たばこを「毎日吸っている」「時々吸う日がある」と答えた喫煙者の割合は男性が29・0%、女性は8・1%で、男性は前年より微減、女性は微増した。
喫煙者に使っているたばこの種類を複数回答で尋ねたところ、男性では紙巻きたばこが77・0%、加熱式たばこが30・6%、女性ではそれぞれ84・9%、23・6%だった。加熱式たばこの使用について年代別にみると、男性では30代が52・1%、20代が50・8%と半数を超え、40代も42・4%。女性では30代が46・2%と最も多く、20代、40代でも3割を超えた。
また、たばこを吸わない人に過去1カ月以内に受動喫煙の機会があった場所を聞いたところ、飲食店が36・9%、路上が30・9%、遊技場が30・3%、職場が28・0%と多かった。ただ、前年から飲食店は5・5ポイント、パチンコなどの遊技場は7・0ポイントそれぞれ減少。職場は初めて3割を切った。厚労省の担当者は「(受動喫煙対策を強化する)健康増進法改正が議論される中で関心が高まってきたためではないか」としている。