未成年に販促、30州超に
2022年9月7日 14:30 日経 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64114010X00C22A9EAF000/
【ニューヨーク】米電子たばこメーカーのジュール・ラブズは6日、10代など未成年者を対象に販促活動をしていたとされる問題を巡る訴訟で、米国の30州超などとの間で和解で合意したと発表した。計4億3850万ドル(約620億円)の和解金を暫定的に支払う。同社の電子たばこを巡っては、米食品医薬品局(FDA)が2022年6月に米国内での販売を禁止するなど安全性に懸念が持たれ、販売手法に対しても問題が指摘されていた。
ジュール・ラブズは今回、米33州に加え、プエルトリコとの間で和解に合意した。同社の電子たばこ「ジュール」を巡っては、19年以降、米国で電子たばこの使用による未成年の肺疾患などが相次いだことで安全性に懸念が持たれた。事実上、未成年を対象にしかねない広告などを流し、販促したとして今回の訴訟につながっていた。
未成年への販促問題 電子たばこ「JUUL」が巨額和解金で合意2022.09.12 https://fujisankei.com/video_library/news/0909-Juul.html
電子たばこメーカーのジュールが、未成年をターゲットにしていたとされるマーケティング手法についての裁判で巨額の和解金に合意。今後は宣伝などのマーケティングには厳しい規制がしかれることになります。
6日火曜日、電子たばこメーカー、ジュール・ラブズは広告を出していた34の州と地域に対し、約4億3900万ドルを支払うことで和解しました。
2年にわたる捜査報告によると、ジュールは、未成年者への電子たばこの販売は違法であるにもかかわらず、意図的に若者をターゲットにしたマーケティングを展開していたとしています。無料サンプルを配り、若い人気タレントを起用し、ソーシャルメディアへの投稿などで未成年者を誘引していたということです。また、マンゴーやミントのような未成年者に人気なフレーバーを販売していました。2019年の調査では500万人以上の若者が過去30日間で電子たばこを吸ってみたと答えていて、その前年の360万人から大幅に増えています。
和解後の会見でウィリアム・トングコネティカット州法務長官は「これで若者が電子たばこから離れ問題が解決するとは思わないが、一時は最大手だった会社から巨額の和解金を勝ち取った。」と語りました。ジュール側は非を認めておらず、今回の合意は、成人の喫煙人口に対し電子たばこへの移行を勧めるジュールの営業方針にあてはまっているとしています。
和解の条件には、今後ジュールが宣伝にアニメーションを用いることと、商品を映画などのメディアで使用するプロダクトプレイスメントを禁止。また、宣伝に35歳以下の人物を起用することも禁止しています。
未成年者は電子たばこの使用はアメリカで社会問題となっています。FDA食品医薬品局は今年6月、ニコチンを含むジュール製品の販売停止を命じましたがジュール側が上訴し現在も法廷闘争が続いています。
2022年6月24日 5:15 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN23EGK023062022000000/
【ニューヨーク】米食品医薬品局(FDA)は23日、米電子たばこ大手ジュール・ラブズの電子たばこ製品の米国内での販売禁止を命じた。ジュールが販売継続認可の取得にむけて提出したデータが同局の基準に満たず、安全性に懸念があると説明した。
ジュールは2019年に果物などフレーバーつき製品の米国内販売を中止している。今回、「たばこ味」と「メンソール味」を含むジュールの電子たばこ全品が販売禁止の対象となった。FDAは、個人の所持は規制の対象外としている。ジュールの法令順守担当者は米メディアに対し、FDAの判断を不当とし「今後も販売を継続できるよう、法的手段も含め対応を検討する」とコメントした。
ニコチンなどを含む液体を加熱し、その蒸気を吸引する「ベープ」と呼ばれる方式の電子たばこは2000年ごろに登場し、米国では過去10年ほどで使用者が急増した。16年にFDAの管轄となるまでは電子たばこを対象とした規制がなく、未成年への販売もほぼ黙認されていた。
だが、19年に米国で電子たばこ製品使用による未成年の急性肺疾患が相次ぎ、安全性の審査とより厳しい規制を求める声が高まった。FDAは20年、未成年の使用率が高く、ニコチン依存のまん延を招いたと批判されていたフレーバー付き電子たばこ製品の販売とりやめを求めた。たばこ味など残りの製品についてはメーカー各社に喫煙による健康への影響などについてデータの提出を要請し、審査してきた。
FDAによると、これまでに英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)傘下ブランド「ビューズ」の製品など、電子たばこでは23種類が販売継続の許可を取得している。FDAは、ジュール製品の使用者が喫煙継続を希望する場合、承認済みの製品への切り替えが可能だと説明している。