EU理事会は、「煙やエアロゾルの無い環境に関する勧告」を採択した。
これは2009年の勧告を改めるもので、禁煙エリアを一部の屋外にも拡大し、禁止の対象に新型たばこ及び同関連製品を含める内容である(注)。
2040年までに喫煙者を人口の5%未満とすることなどを目指した「欧州がん撲滅計画」の一環だという。
今回の勧告では、新型たばこの普及状況や、屋外で煙やエアロゾルを間接的に吸い込むことによる潜在的な悪影響(特に子供や若者)が考慮されている。
EU加盟国に対し、禁煙エリアを屋外のレクリエーション施設、店舗(飲食店を含む)に付随又は隣接する屋外・半屋外スペース、及び公共交通機関や職場、医療福祉施設、子供や若者を対象とする教育・訓練施設に付随する屋外スペースなどにも拡大し、加熱式たばこ(HTP)や電子たばこなどの、煙やエアロゾルが出る新型たばこ及び同関連製品を禁止対象に含めることを求めている。
欧州委員会が、加盟国からの情報をもとに、本日の採択より5年以内に勧告の実施状況を報告することになるという。
(注) 2024年9月17日、欧州委員会が「煙の無い環境に関する勧告」(2009年)の改正案を提示していた。
EU加盟国閣僚級のEU理事会は12月3日、欧州委員会が9月に発表したEU域内で2040年までに「タバコのない世代(タバコ製品の使用が人口の5%未満)」を目指す政策に関し、EU理事会としての見解をまとめた欧州委員会向けの勧告を採択した。
欧州委員会は9月、禁煙環境に関する2009年勧告の改正案を発表。同勧告を市場の発展(電子たばこ、新興製品)に沿わせ、学校や運動場等の特定の屋外空間での喫煙や関連製品の使用を勧告対象に含めるよう提案している。
【参考】【EU】欧州委、たばこ規制拡大へ。屋外主要エリアや電子たばこも禁煙対象(2024年9月26日)
これに対しEU理事会は、電子たばこ、加熱式たばこ、加熱式ハーブ製品等を「エアロゾル放出製品」と定義し、勧告の対象に含めることで一致。効果的な保護のため、EU諸国は、特定の公共スペース、公共交通機関、職場でのエアロゾル放出製品の使用をさらに制限するよう奨励した。エアロゾル放出製品に、シーシャを含めることの是非についても慎重に検討されている。
さらに、今回の勧告では、屋外空間におけるたばこの煙やエアロゾルへの受動喫煙が、特に子供や若者に広く蔓延し、有害な影響を及ぼす可能性があると認識。レストランのテラス席、遊び場、ビーチ、公共交通機関等も保護対象にすべきとした。
今回のEU理事会勧告を受け、欧州委員会は5年以内に、同勧告の実施に向けた進捗状況を報告していくことになる。
【参照ページ】Council recommends increased protection against second-hand smoke and aerosols
2024年9月18日 0:58 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17BUY0X10C24A9000000/
【ブリュッセル】欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は17日、加盟国に対したばこ製品に関する規制の強化を勧告すると発表した。禁煙エリアを医療・教育施設に隣接する屋外、駅や停留所にまで拡大するよう求めた。加熱式たばこや電子たばこなど新興製品も規制対象にすべきだと提起した。
2009年に発表した禁煙拡大のためのEU勧告を改訂する。欧州委は特に子どもが集まる屋外のレクリエーション区域での禁煙対応を進めることを要請した。新たな対象には公共の遊び場や遊園地、スイミングプールなども含む。これまでは屋内での禁煙対策が中心だった。
「新型たばこ」と呼ばれる加熱式たばこと電子たばこについても禁煙政策の対象にするよう勧告した。加熱式たばこはタバコの葉を加工したものに加熱するための電子機器を使って霧状の粒子を発生させ、その中に含まれるニコチンを吸う。
欧州委は規制の根拠として、世界保健機関(WHO)がこうした新興製品から排出される副流煙が呼吸器系などに悪影響を及ぼすと指摘したことを挙げた。
EUの調査では回答者の多くが子どもや青少年が利用する場所で加熱式などを利用した経験があると答えたとし、子どもの保護強化に向けた施策が必要だと強調した。加熱式や電子たばこが従来型のたばこを吸うきっかけになりかねないとも警戒する。
保健政策はEUではなく加盟国の権限であるため、勧告に強制力はない。欧州委は各国が「自国の状況やニーズを考慮し、自国の政策で勧告を実施することが求められる」と協力を促した。
加熱式たばこなどの禁煙対策を実施する国には、EUが助成金を通じて支援する。
【掲載日】2024.10.02 【情報源】EU/2024.09.17 発表 環境ニュース https://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=51263&oversea=1
欧州委員会は、たばこの副流煙やエアロゾルの影響からEU市民、特に子供・若者を守るため、禁煙環境政策の拡大を加盟国に勧告することを提案した。
たばこは癌の主要リスク要因であり、「欧州がん撲滅計画」では2040年までに喫煙者を人口の 5%未満 にすることを目標としている。
提案の主な内容は、
・禁煙エリアを屋外施設に拡大:公共の遊び場、遊園地、プール、医療・教育設備に隣接する屋外、停留所や駅、公共施設等。
・加熱式たばこ、電子たばこも対象:これら製品は市場シェアを大幅に拡大。その受動喫煙がもたらす悪影響(呼吸器系・循環器系の重大な問題等)を世界保健機関(WHO)が報告。
・たばこ、ニコチン規制、中毒予防の強化:EU4Healthプログラムから 1,600万ユーロ、Horizonプログラムから
8,000万ユーロの直接助成金等で支援。
・子供や若者の健康保護を支援する予防ツールキットを開発。
尚、保健政策は加盟国の権限であることから、自国の状況やニーズを考慮し、適切な政策を通じて、この勧告を実施するよう求める。
EU加盟国閣僚級のEU理事会は12月3日、欧州委員会が9月に発表したEU域内で2040年までに「タバコのない世代(タバコ製品の使用が人口の5%未満)」を目指す政策に関し、EU理事会としての見解をまとめた欧州委員会向けの勧告を採択した。
欧州委員会は9月、禁煙環境に関する2009年勧告の改正案を発表。同勧告を市場の発展(電子たばこ、新興製品)に沿わせ、学校や運動場等の特定の屋外空間での喫煙や関連製品の使用を勧告対象に含めるよう提案している。
【参考】【EU】欧州委、たばこ規制拡大へ。屋外主要エリアや電子たばこも禁煙対象(2024年9月26日)
これに対しEU理事会は、電子たばこ、加熱式たばこ、加熱式ハーブ製品等を「エアロゾル放出製品」と定義し、勧告の対象に含めることで一致。効果的な保護のため、EU諸国は、特定の公共スペース、公共交通機関、職場でのエアロゾル放出製品の使用をさらに制限するよう奨励した。エアロゾル放出製品に、シーシャを含めることの是非についても慎重に検討されている。
さらに、今回の勧告では、屋外空間におけるたばこの煙やエアロゾルへの受動喫煙が、特に子供や若者に広く蔓延し、有害な影響を及ぼす可能性があると認識。レストランのテラス席、遊び場、ビーチ、公共交通機関等も保護対象にすべきとした。
今回のEU理事会勧告を受け、欧州委員会は5年以内に、同勧告の実施に向けた進捗状況を報告していくことになる。
【参照ページ】Council recommends increased protection against second-hand smoke and aerosols