JTのカナダ健康訴訟、和解金で合意 4000億円負担へ

2025年3月3日 9:30 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC28A9C0Y5A220C2000000/

日本たばこ産業(JT)などたばこ大手3社に対するカナダでの健康リスク訴訟で、JTは3日、325億カナダドル(約3兆5600億円)を支払う和解案に3社が合意したと発表した。JTが約4000億円を負担し、残りを2社が払う。

発表によると、JTと米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)のそれぞれのカナダ法人は2月27日、カナダの裁判所に合意したことを通知した。裁判所の承認を経て正式に和解が成立する。

JTは和解金のうち11%にあたる約4000億円を支払う。現地でのたばこのシェアなどに基づいて3社で分担する。JTは頭金として約1700億円を拠出し、残りはカナダ法人の毎年の純利益の70〜85%を充てる。

すでに発表済みの2024年12月期連結業績を修正し、引当金として約4000億円を計上する。配当額は変えないとしているが、正確な数値は改めて発表する。

カナダの裁判所が任命した調停委員は24年10月、3社のカナダ法人に計325億カナダドルの和解金を提示した。これに対し、JTは「いくつかの重要な課題がある」として同意せず、解決に向けた計画をカナダの裁判所に提出していた。

カナダでは3社に対し、健康リスクについて十分な説明をせずにたばこを販売したとして、消費者を原告とする集団訴訟が起きていた。

たばこ訴訟 JTなど大手3社 約3兆5600億円の和解案に合意

2025年3月3日 16時31分 NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250303/k10014738371000.html

たばこがもたらす健康被害をめぐってカナダで起こされた裁判で、JT=日本たばこ産業など、たばこ大手3社が日本円でおよそ3兆5600億円を支払うとする和解案に合意しました。JTでは和解金の支払いに備えて、およそ4000億円の引当金を計上することにしています。

この裁判は、喫煙による健康リスクを十分に説明せずたばこを販売したとしてカナダの消費者らが、JTのほかアメリカのフィリップ・モリス、イギリスのブリティッシュ・アメリカン・タバコの3社の現地法人に対して損害賠償を求める訴えを起こしていたものです。

会社によりますと、裁判では、2019年にたばこ会社側の控訴が棄却されていて、去年10月、3社が和解金を支払うなどとする調停案が提示されていましたが、3社は支払いに合意したということです。

和解金は、3社で合わせて325億カナダドル=日本円でおよそ3兆5600億円で、JTでは和解金の支払いに備えておよそ4000億円の引当金を計上することにしています。

JTは「今回の合意で解決に向けて前進したと考えています。現時点で、当社の経営に大きな影響を与えるものではありません」とコメントしています。

関連報道
2024.10.19 
JTなどたばこ3社に3.5兆円和解案提示 カナダ裁判所
(日経、毎日) 10.31 JT、巨額和解案に同意せず