2026年2月22日 5:00 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA129BO0S6A210C2000000/
2020年4月の改正健康増進法の施行によって屋内での喫煙が原則禁止となった今でも、思わぬ受動喫煙があとを絶たない。店舗などの「喫煙可」の掲示が不十分で、自治体の指導も行き届きづらいといった面がある。厚生労働省は見直しに向けた議論に入った。
改正健康増進法では施行時にすでにあった小規模な飲食店は特例として店全体を喫煙可能にすることや、飲食しながら喫煙できる部屋を置くことができるとした。原則屋内禁煙となっている現在はこうした小規模店以外で屋内で喫煙できるようにするには専用室を設ける必要がある。そこでは飲食は認めていない。
小規模店が喫煙の特例を受けるには届け出が求められる。一方で「喫煙目的施設」と呼ぶものがあり、こちらは届け出が必要ない。主食を主として提供しない、たばこを販売しているといったことが要件で、バーやスナックなどに該当する事例があるとみられる。
どちらの場合でも喫煙可能だということを店舗の入り口などに掲示しなければならないが、それが不十分なために、店に足を踏み入れた後に「しまった」と気づくケースが少なくない。
25年に厚労省が実施した調査によると、飲食しながら喫煙できる施設をいくつか選び、喫煙可能だということを正しく掲示していた割合は半数程度にとどまっていた。掲示を怠れば、自治体から指導を受ける可能性があり、最悪の場合は50万円の過料を科される。
喫煙目的施設は届け出が必要ないため、問題ある店を見つけ出すことは容易ではない。自治体職員は対応に苦慮しているという。
改正健康増進法は施行5年後の見直しを定め、25年11月から厚労省の専門委員会で有識者を交えた議論が始まった。実態把握を進めるため、自治体や関係団体との意見交換を重ねるなどして、運用改善の方向性を探る。どのようにして掲示を徹底させていくかが最大の論点となる。
受動喫煙を巡っては店舗内だけでなく、街なかや路上での被害を訴える声もある。路上喫煙なども自治体が対応に追われており、厚労省には防止への取り組みが期待される。