[ロンドン 18日 ロイター] - 公衆衛生推進団体と米学術チームが発表したリポート「タバコ・アトラス」によると、2019年時点の世界の喫煙率が19.6%となり、02年の統計開始以来初めて低下した。
ただ、この統計には一部地域における喫煙者増加のほか、調査対象国の約半分で10代前半の喫煙が増加している現状が反映されていないという。
リポートによると、世界の喫煙人口は11億人、他のたばこ製品使用者はさらに2000万人に上る。喫煙率は07年に22.7%だった。
一方、アフリカ・地中海および西太平洋地域で人口が増加し、多数の地域で依然喫煙者が増加していることが示された。さらに、アフリカの少なくとも10カ国では、成人と若年層の間でたばこの普及が進んでいる。
リポートを作成した米イリノイ大学のジェフリー・ドロープ公衆衛生学教授は、たばこ産業は1世代以上にわたり害が固定されるような形で新興経済を食い物にし続けている」と指摘。
多くの国で子どもが標的にされ、調査対象となった135カ国中63カ国で13─15歳の喫煙が増加しているほか、電子たばこやフレーバー製品など新製品の影響はまだ完全に把握されていないと述べた。
教授は、増税など喫煙抑制策の効果で世界的なたばこ普及ペースが鈍化した一方、より所得の低い国では充分厳しい規制が実施されていないと指摘した。