秋田県の受動喫煙防止条例案、27日可決 飲食店は原則屋内禁煙

2019年6月27日 秋田魁新聞 https://www.sakigake.jp/news/article/20190628AK0028/

 

 秋田県の受動喫煙防止条例案が、27日の県議会本会議で可決される見通しだ。改正健康増進法より厳しい独自の規制を設けた内容。県は条例制定を機に飲食店の禁煙化を促そうと、店内の改装費を助成する事業を始める。

 県によると、受動喫煙防止を目的とした都道府県条例は7都府県で制定済み。県条例案が可決されれば、東北では山形に続き2番目となる。条例の目的などの項目は来月上旬に施行、規制に関する項目は改正法の全面施行に合わせて来年4月に施行される。

 県条例案によると、飲食店は原則屋内禁煙となる。改正法は客席面積100平方メートル以下の既存の小規模飲食店で喫煙を認めるが、条例案は従業員がいる場合、100平方メートル以下の既存の小規模飲食店も屋内禁煙と定めた

 ただし、来年4月から5年間は経過措置として、屋内禁煙を努力義務にとどめるため、喫煙できる余地が残る。また、一定の条件を満たすバーやスナックは規制の対象外となる。

 小中高校や幼稚園、保育所は敷地内禁煙と規定。大学や行政機関、医療機関は敷地内禁煙を努力義務とし、駅や空港は屋内禁煙とする。規制に罰則は設けない。

 「秋田・たばこ問題を考える会」の鈴木裕之代表(秋田市、すずきクリニック院長)は「受動喫煙防止のための条例は、喫煙者にも非喫煙者にもインパクトがあるだろう」と評価する。飲食店に対する規制に5年間の経過措置を設けたことについては「健康寿命日本一に向けた県の計画で受動喫煙ゼロを掲げていることを考えれば、甘すぎる」と指摘した。

 従業員がいる既存の小規模飲食店の禁煙化を後押しする事業費は2019年度補正予算案に計上。壁紙やカーテンの交換、喫煙所の撤去にかかる費用の9割(最大10万円)を助成する

県受動喫煙防止条例案と改正健康増進法の比較