2017.11.24 06:06 sankeibiz
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/171124/mcb1711240500019-n1.htm
シンガポールは、2019年から21年にかけて、段階的に喫煙年齢を引き上げる。たばこ法の改正案が11月に同国議会を通過した。それによると、現在はたばこの購入・使用・販売・供給が認められているのは18歳以上だが、この年齢を19年1月に19歳、20年1月に20歳、21年1月には21歳とする。喫煙率の低減が目的だ。現地紙ストレーツ・タイムズなどが報じた。
同国のアムリン・アミン保健担当政務官は、引き上げの理由について、喫煙者の95%が21歳以下で、45%が18~21歳で喫煙を開始しているという保健省のデータを挙げ、若者をたばこから遠ざけるのが狙いだと説明した。「喫煙開始年齢が早いほど、常習的な喫煙者になる確率が高く、後の禁煙も困難になる」としている。
また改正案では、電子たばこ、電子葉巻、電子パイプの購入と使用や所有も禁じる。たばこ法では、既にニコチンを含む液体を蒸発させて吸引するための電池式器具は販売・輸入・供給を禁じるとしており、さらに一歩進めた格好だ。
電子たばこなどは、たばこと比較して健康への影響が少ないとの説もある。しかし同政務官は、電子たばこのような模造品はニコチン依存につながる可能性があり、使用者がいずれたばこに移行する確率も高いとし、禁止が妥当との見解を示した。
シンガポールは、1990年代には喫煙率が18%だったが、政府が規制強化に乗り出したため、ここ10年間は12~14%で推移している。全面禁止も含む規制強化を訴える声も上がっているが、同政務官は「全面禁止は喫煙率が十分に下がってから」とした。
改正案の国会通過を受け、保健省や関税当局など関連省庁は今後、違法たばこの流入阻止に注力していく。また、保健省が中心となり、受動喫煙に関するガイドラインを作成するほか、コミュニティーにおける受動喫煙低減のための措置も講じる方針だ。(シンガポール支局)