(H29.5.23(火)9:28 ~ 9:40 省内会見室)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000165646.html
(記者)
受動喫煙対策についてお伺いいたします。国会の会期もあり、今週は一つのリミットと言われておりますが、法案提出に向けての進捗状況を教えて下さい。
また、先日の自民党の部会で、大西議員ががん患者は働かなくていいという発言をめぐり謝罪されました。そのことについても大臣の御所感をお願いします。
(大臣)
先般の厚生労働部会は、私も出席いたしました。大西議員が御発言されたということでありますが、その件については国会議員の発言でありますから、私がコメントする立場にはないと思います。
ただ、その前提となりました三原先生の発言は、大変大事な問題を指摘されたと思っております。すなわち、がん患者あるいはぜんそく患者といった弱い立場の方々が、働いている際の健康の問題をどう考えて、望まない受動喫煙をどのように防止をするのかということについて、皆で考えなければいけない大事な問題を指摘されたと思っております。
我々、厚生労働省としても働くがん患者、あるいはぜんそく患者の皆様方などがお付き合いでお店に行く場合がしばしばあり得るわけでありますので、そのような時に喫煙店にめぐり当たってしまったという時の、がん患者の皆様方などの「嫌々受動喫煙」について、表示義務で本当に守れるのかということを、私たちは良く考えなければいけないと思っております。
健康増進法の改正につきましては、望まない受動喫煙を無くすということと、今国会に法案を提出するということでは、自民党側と厚生労働省側は意見が全く一致しているということでありまして、現在党側と合意を目指して踏み込んだ調整を行っております。理解が進んだ点もあると思う一方で、まだ少し隔たりがあるという思いのところも残っているのも事実であります。また近々に自民党の厚生労働部会が開かれるかのようなことも聞いておりますので、そこでの議論にも注視したいと思っております。
いずれにしても、所管大臣として真摯に自民党側の御意見をしっかりとお聞きをしながら、時間の限りギリギリでの党側の理解を得る努力は続けてまいりたいと考えております。
(記者)
冒頭の受動喫煙の話に戻りますが、このヤジについて大臣はコメントしないということでしたけれども、今回のヤジの件に関しては、一方でがんの患者団体からは怒りと憤りの声が聞こえているわけです。
また、こういう考え方の方が受動喫煙対策を議論するということがいかがなものかと、つまり有効的な受動喫煙対策が本当に部会で話し合われるのか、骨抜きになるのではないか、実効性がないのではないか、という声も聞かれるわけですけれども、この点について大臣はどうお考えでしょうか。
(大臣)
すべての国会議員はすべての議論に参加するという当然の責務があるのだろうと思いますが、それはそれとしてしっかり皆さんで議論してもらいたいと思っています。
一方で、今回のヤジと言われている発言については、大変、がん患者の皆さんから私に直接声明文等が来ていますけれども、随分と傷つかれた、そういうメールも頂戴しています。
先ほど申し上げたとおり、三原さんが指摘された問題というのは、極めて本質的なこの受動喫煙対策で解決をしなければならないという大事な問題で、飲食店で働いていらっしゃるがん患者の皆さん方をどう守るのかという提起でございました。
必ずしも働くだけではなくて、職場の送別会とか色んなかたちで、みんなで行くというときはなかなか、自分の意思じゃなくそういうお店に行ってしまう可能性があるわけでございまして、そういうことを考えてみると、表示義務を課すことで、がん患者の皆さん方を含めて、人知れず、病気と闘っている方々あるいは妊娠をしているけれども、まだ職場には話をしていない方々に、不自然ではない、言ってみれば、望まない受動喫煙から解放するということをどうやったらいいのか、やはり真剣に考えて、そういう可能性のない対策を私たちはすべきなんだろうなと考えております。これは部会でも、ご説明を申し上げたところでございます。