WHO、タバコ会社が出資する製薬会社のワクチンを却下へ

 
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カナダの製薬会社「メディカゴ(Medicago)」が開発した植物由来の新型コロナウイルスワクチンは、同社がタバコメーカーのフィリップモリスからの出資を受けていることを理由に、WHOの緊急使用承認を「受けられない可能性が非常に高い」とWHOの関係者が3月16日に発表した。

WHOの事務局長補佐のMariângela Simão博士によると、メディカゴはフィリップモリスと関係があり、タバコや武器会社との提携に関するWHOの「非常に厳しい」ポリシーに抵触する恐れがあるため、緊急使用承認が一時停止されているという。

コビフェンツ(Covifenz)と呼ばれるこのワクチンは、WHOがタバコ会社との関係を理由に承認を拒否した最初の西側企業のワクチンになると17日のブルームバーグは報じている。

メディカゴは日本の田辺三菱製薬の連結子会社で、フィリップモリスはメディカゴの21%の株式を保有している

メディカゴの長尾隆CEOは16日の声明で、WHOから公式な連絡は受けていないと述べ、WHOの決定は同社のワクチンの安全性や有効性とは無関係であることを強調した。

コビフェンツがWHOに拒否された場合、ワクチンを共同購入し途上国などに分配する国際的な枠組みのCOVAXから除外され、需要が抑制されることになる。WHOは3月2日、コビフェンツの事前承認を求めるメディカゴの申し出を拒否していた。

2020年10月、メディカゴはカナダ政府から1億7300万カナダドル(約137億円)の助成金を受け、最大7600万人分のワクチンを供給することで合意していた。コビフェンツは、初の植物由来の新型コロナウイルスワクチンで、オミクロン株が優勢になる前に行われた研究において、新型コロナウイルスに対する71%の有効性とデルタ株に対する75.3%の有効性が確認されていた。

カナダ保健省は2月24日、コビフェンツを18歳から64歳までの成人に使用することを承認したが、このワクチンはまだカナダ以外の国での使用は承認されていない。

WHOは、2005年に発効した「タバコの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」に基づき、タバコ産業と関係のある団体との取引に制限を設けている。FCTCの加盟国であるカナダ政府とメディカゴとの提携は、一部のタバコ規制団体から批判を浴びていた。