阪神・11月から「全面禁煙」導入 球児監督改革第1弾 チーム活動時は選手もスタッフも首脳陣も

2024年10月30日 05:15  スポニチ https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2024/10/30/kiji/20241030s00001173030000c.html

 阪神が来月からチーム活動時や活動エリアでの「全面禁煙」を導入することが29日、分かった。高知県安芸市で秋季キャンプがスタートする11月1日から実施予定。この日、甲子園球場での秋季練習に参加した首脳陣、選手、スタッフにも通達された。健康増進やパフォーマンス低下の防止が導入の理由で、藤川球児新監督(44)の意向も反映されたもよう。来季は甲子園球場のクラブハウスなどの喫煙スペースがなくなり、ビジター球場でも同様のルールが適用される。

 阪神が、球界では異例の「禁煙ルール」を導入する。この日、秋季練習前に球団関係者が首脳陣、選手、スタッフらに通達。「禁煙ルール」は高知県安芸市で秋季キャンプが始まる11月1日から施行される予定で、シーズン中のホーム、ビジター球場での全面禁煙とともに、遠征の際の宿舎滞在時やプライベートの時間に関しては適用されないことも伝えられた。

 NPBでは日本ハム、ロッテ続いて3球団目でセ・リーグでは初。球団では過去に2軍で禁煙ルールを導入した期間もあるが、1軍でシーズンを通して実施するのは今回が初めてだ。導入には藤川新監督の意向も反映されたもようで新指揮官が断行する大きな改革と言える。最大の理由が選手の「健康増進」だ。

 もう一つはパフォーマンスの向上と低下の防止。タバコの煙には有害物質の1つである「一酸化炭素」が含まれる。体内の一酸化炭素が増えれば、体内での酸素運搬が滞る可能性が高まってしまい運動能力の低下や息切れが起きやすくなる。

 また、一酸化炭素の影響で血中酸素濃度が低くなれば筋肉は酸欠状態で硬くなり、選手のフィジカル強化に欠かせないウエートトレーニングにも悪影響を及ぼす。禁煙は、プロアスリートとして最良のコンディションで最高のパフォーマンスを維持することに直結する近道と言える。

 早速、秋季キャンプでは、監督、コーチ、選手らチーム関係者は安芸市営球場で全面禁煙。この日までに安芸市に球団の意向が伝えられ、安芸タイガース球場の灰皿などが撤去された。来季のシーズン中もユニホーム着用時はもちろん、クラブハウス内でも喫煙スペースはなくなる予定だ。

 チーム内には愛煙家も少なくないが、ある選手は「これを機に(タバコを)やめようと思ってます」と早くも“タバコ断ち”を宣言。コーチやスタッフの一部喫煙者も今回の禁煙ルールを好意的に受け止めているという。

 藤川阪神の“改革第1弾”と言える禁煙ルール。元守護神らしく選手の健康も守る!V奪回へ逆襲ののろしは上げても、タバコの煙は立てない。

 ▽プロ野球の禁止令
 ★ひげ 「常に紳士たれ」がモットーの巨人は、原則としてひげ、茶髪、長髪が禁止。日本ハム時代に口ひげがトレードマークだった小笠原道大はFA加入した06年オフ、入団会見にひげなしの巨人スタイルで登場。

 ★肉食 徹底した「管理野球」を行った広岡達朗は、西武監督就任の82年からチーム全体に肉の摂取量の制限。玄米食・自然食の推奨。禁酒、禁煙、禁麻雀を通達。広岡監督が退任する85年まで続いた。

 ★お前 中日・与田剛監督は19年、球団チャンステーマ「サウスポー」の歌詞「お前が打たなきゃ誰が打つ」の「お前」に「子どもたちが歌うのは、教育上よろしくないのではないか」と指摘。球団と応援団が曲使用の自粛を決めた。