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スイスで2月13日、たばこ製品の青少年向け広告を禁止する案が国民投票にかけられる。世界最大手のたばこ製造企業の本社が集まるスイスは、たばこ広告に対する法律が欧州で最も弱い。
たばこを吸う人はスイスに約200万人いる。そのうちの約10万人は15歳から19歳だ。2018年に発足した「子供と青少年をたばこ広告から守るために」イニシアチブ(国民発議)は、「青少年がアクセスできる、あらゆる形式のたばこ製品広告の禁止」を求めている。これが国民投票で可決されれば、成人向けの雑誌や小冊子、Eメール、ウェブサイトなどに掲載される、成人対象の広告だけが許可されるようになる。また、同イニシアチブでは、たばこ企業によるスポンサー活動を違法とするよう求めている。
イニシアチブを提起したのは、スイス医師会(FMH)、スイスがん連盟、スイス小児科学会(SGP)、中毒に関する予防や情報提供を行う公益財団アディクション・スイスなど、医療や青少年に関わる多くの組織だ。
連邦議会は、青少年の健康への懸念と経済界の事情を考慮した上で、イニシアチブの要求に一部応える対案を作成した。スイスに本社を置くたばこ会社の経済的な貢献度は高く、何千人もの雇用を創出している。
対案は、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(たばこ規制枠組み条約)の要求を満たしていない。スイスは欧州で唯一、この条約に批准していない。