2018年2月22日 東京新聞夕刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018022202000268.html
自民党は二十二日、厚生労働部会を開き、厚労省が策定した受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を大筋で了承した。多数の人が集まる建物内を罰則付きで原則禁煙とする一方、客席面積が百平方メートル以下の小規模な既存飲食店は喫煙を認めるなど例外の多い内容となった。政府は二〇二〇年の東京五輪・パラリンピック前の全面施行を目指しており、三月にも国会に法案を提出する。
厚労省は昨年、喫煙を認めるのは店舗面積三十平方メートル以下のバーやスナックに限定する方向で調整していたが、規制に慎重な自民党と折り合わず、法案提出を断念した経緯がある。今回、飲食店の面積を大幅に拡大したことで了承が得られ、提出できる見通しとなった。ただ厚労省の試算では55%の飲食店が喫煙できることになり、実効性に疑問が残る。
法案は、飲食店やホテル、職場などの建物内を原則禁煙とするが、客席面積が百平方メートル以下で資本金が五千万円以下の既存飲食店は「喫煙可」などと店頭に表示すれば喫煙を認める。原則禁煙の建物内でも煙が外に出ないようにした「喫煙専用室」では、飲食はできないが喫煙できる。
利用者が急増している加熱式たばこも新たに規制。加熱式専用の「喫煙室」を設ければ、飲食しながらの喫煙を認めるなど、紙巻きたばこよりも緩い内容にした。このほか、学校や病院、行政機関では原則敷地内禁煙とする。禁煙場所で喫煙した悪質な違反者には最大三十万円の過料を科す。
受動喫煙対策
毎日新聞
厚生労働省は22日、受動喫煙対策を強化する健康増進法の新たな改正案を自民党の部会に示し、大筋で了承された。既存の飲食店については、屋内原則禁煙の適用除外とする店の規模を「客席面積100平方メートル以下」とした。昨年3月に示した案より規制が大幅に後退し、批判も出たが、2020年の東京五輪・パラリンピック前の施行に間に合わせることを重視した。政府は3月上旬にも閣議決定する見通し。
厚労省は昨年の案で、店舗面積30平方メートル以下のバー・スナック以外の飲食店は屋内原則禁煙としていた。今回は例外の対象店舗を拡大。例外の店は当面の間、「分煙」などの掲示をすれば喫煙を認め、期限は別に法律で定める。
例外の基準は他に「個人経営か資本金5000万円以下」も盛り込んだ。新規開設店や大手チェーン店は、客席面積100平方メートル以下でも規制対象になる。一方で、20歳未満の客や従業員が喫煙場所に立ち入るのを禁じるなどの健康被害防止策を講じる。
加熱式たばこは、紙巻きたばこより規制を緩くする。規制対象の店舗では、ともに密閉された喫煙室でなければ吸えないが、喫煙室での飲食を紙巻きは禁じ、加熱式専用では認める。医療機関や学校、行政機関は敷地内禁煙とするが、ついたてなどで受動喫煙を防いでいれば屋外の喫煙所設置は認める。
2018/02/22-11:14 時事 https://www.jiji.com/jc/article?k=2018022200494&g=soc
たばこの受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案をめぐり、厚生労働省は22日の自民党厚労部会に、喫煙を例外的に認める既存飲食店の基準を「客席100平方メートル以下」とする修正案を示し、実質了承された。運営会社は「資本金5000万円以下」が条件。東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月1日に全面施行させ、5年後に見直す。
政府は近く閣議決定し、改正法案を今国会に提出する。調理場などを含めた面積は150平方メートル程度となり、たばこ産業や外食業界の意を受けた自民党分煙派に譲歩した。ただ、超党派の受動喫煙防止議員連盟が厚労省当初案に沿った厳格な対案を策定。国会提出を模索し、採決時に党議拘束を外すよう働き掛けており、曲折も予想される。