兵庫知事、職員らの執務中喫煙に「違和感覚えた」…県庁舎や出先機関の敷地内を全面禁煙に

2023年6月5日 読売 https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20230605-OYT1T50080/



 兵庫県は「世界禁煙デー」の5月31日から、県庁舎や出先機関の県民局などの敷地内を全面禁煙にした。たばこの煙による健康被害から職員や来訪者を守るのが目的で、主導した斎藤知事は「県自らが健康な社会作りや禁煙に向けた機運を作っていきたい」としている。



 兵庫県は2013年に受動喫煙防止条例を施行し、官公庁施設は禁煙となったが、屋外に喫煙所を設けることは認められていた。県庁舎ではベランダや中庭の7か所に職員用の喫煙所があり、職員らが執務中にたばこを吸っていた。議場棟にも喫煙所が設けられていた。総務省や他の自治体で勤務してきた斎藤知事は就任時、「これまでの職場では勤務時間に敷地内で喫煙することは認められておらず、違和感を覚えた」という。

 医師や大学教授らでつくる「県受動喫煙防止対策検討委員会」は昨年3月、敷地内の全面禁煙や勤務中の禁煙を求める報告書をまとめた。これを受け、兵庫県は喫煙対策に着手。今年4月以降、休憩時間を除き、業務中の喫煙を禁止し、喫煙所も3か所に縮小。庁舎内の売店でのたばこ販売も取りやめた。5月31日から議場棟や出先機関を含め、計90か所以上の喫煙所を全て廃止し、敷地内での喫煙を全面的に禁じた。

 兵庫県によると、昨年5月時点で、47都道府県の庁舎のうち、敷地内を全面禁煙にしているのは12都道府県だった。自身は喫煙しない斎藤知事は5月31日の記者会見で、「公共スペースで喫煙しないのは時代の流れだ。喫煙は個人の自由だが、周りへの健康被害もある。喫煙家の方には協力してもらいたい」と理解を求めた。職場が完全に禁煙となったことから、喫煙する県職員は近くの県民会館やJR元町駅の喫煙所を利用しているという。