2017年05月24日 17時55分 読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/20170524-OYT1T50039.html
家族に喫煙者がいない山梨県内の中高生のほぼ半数が、1か月間に受動喫煙の被害を受けた経験があることが山梨県の調査でわかった。
受動喫煙した場所の中には、路上や公園など、公共の空間も多かった。また、喫煙の経験がある生徒ほど、健康へのたばこの害を軽く考える傾向があることも判明。県は、受動喫煙の防止策や、たばこの害を教える教育に取り組むことにしている。
県は2016年11~12月、学校を通して、中高生約8100人に喫煙経験やたばこに対する意識についてアンケートを行った。アンケートは06年から5年に1回行っているが、受動喫煙について質問したのは初めて。20年の東京五輪・パラリンピックに向けて、厚生労働省が受動喫煙対策を検討しているため、初めて質問項目に加えた。
家族に喫煙者がいない中学生の44%、高校生の47%が「この1か月間に受動喫煙をした」と回答。受動喫煙した場所は、中学生では「路上」(61%)が最も多く、「飲食店」(48%)、「公園」(22%)と続いた。
家族に喫煙者がいる中学生のうち65%は、家庭で受動喫煙したと回答した。
また、たばこによる健康への害についても尋ねた。
たばこを吸ったことがない中学生の96%、高校生の97%は「害がある」と答えた。しかし、「害がある」と答える割合は、喫煙したことがある中学生では81%、高校生では86%に落ち込み、たばこを吸ったことがあるほど、健康への害を軽く考える傾向がうかがえる。
受動喫煙についても差があり、たばこを吸ったことがない場合、「受動喫煙を経験した」と回答したのは、中学生は51%、高校生は54%。一方、喫煙したことがある中学生では45%、高校生は42%に減り、たばこを吸った経験が、たばこの煙を意識しないことにつながっていた。
喫煙の経験についても調査し、中学生の0・7%、高校生の1・4%が「最近1か月間にたばこを吸った」と回答した。