「子どもいれば私的空間も禁煙」有識者委が提言へ

 

 

 兵庫県の受動喫煙防止条例を見直している有識者委員会が、全国で初めて「家の中」や「自家用車内」などの私的空間でも子供がいれば全面禁煙を義務づけるよう近く県に提言することがわかった。

 2013年施行の兵庫県の受動喫煙防止条例は、神奈川県に次いで全国で2番目の罰則付き条例として、公共施設での全面禁煙や面積100平方メートル超の飲食店などでの分煙を義務付けたが、私的空間への規制はなかった。

 条例は、社会情勢の変化に合うよう5年後に見直すよう規定されており、県の要請で昨年7月から、県立尼崎総合医療センターの藤原久義名誉院長をトップとする14人の有識者委が見直しを進めている。委員は医療、飲食、宿泊、NPOなど各業界関係者で構成され、11月にも提言をまとめる。

 県は提言に基づき、条例改正案を作り、来年2月にも県議会に提案するが、提言に法的拘束力はない。今回の見直しでは、子供の受動喫煙を防ぐ観点で「子供がいる場所での喫煙は児童虐待」「外国では禁止している国もある」などの意見が続出。私的空間でも一律に禁煙を義務化することで一致した。罰則を科すのは、路上に監視員を置くことなどで規制できる自家用車内とする。家については「立ち入って確認するのは難しい」とし、罰則対象からは除外する。