2019/3/8 読売 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190307-OYT1T50300/
トヨタ自動車が年内に、愛知県豊田市の本社や各地の生産拠点を含む国内全ての施設を「全面禁煙」とすることがわかった。各施設の屋内喫煙所を順次廃止する。従業員に禁煙を促し、受動喫煙を防ぐことも狙う。
帝国データバンク(2017年10月)によると、施設内を全面禁煙とする大企業は2割に満たない。特に製造現場では1割程度に過ぎない。日本の製造業の先導役となってきたトヨタの取り組みだけに、ほかの企業の全面禁煙化の動きにも影響を与えそうだ。
トヨタは、従業員に対する禁煙教室の開催や禁煙補助薬の配布を行っている。13年からは勤務中は原則禁煙とした。こうした取り組みにより、社内の喫煙率は04年の51%から18年は25・4%に半減しているが、さらに施設の屋内喫煙所を廃止することで、社内の「脱たばこ」を加速する。
トヨタグループの大手商社・豊田通商も20年度中に東京、名古屋の本社ビルの禁煙化を目指す方針だ。
東京五輪・パラリンピック直前の20年4月には職場や飲食店を原則禁煙とする改正健康増進法が全面施行される。企業は対応を進めており、トヨタのほかには、日新火災海上保険が4月から施設を全面禁煙にする。島津製作所は20年4月から、就業時間は禁煙とする方針だ。