禁煙、認定薬剤師が支援 札幌市と薬剤師会、道内初の制度 身近な薬局で無料相談

配信 北海道新聞 https://news.yahoo.co.jp/articles/8a1ed31edf4f0db5bc4f315efb2c59e74638d563

 札幌市と札幌薬剤師会は、禁煙したい人を応援しようと、薬剤師を禁煙指導の担当者として認定する制度を、北海道内で初めて設けた。認定薬剤師のいる薬局で、指導や助言を無料で受けられる。市は身近な薬局で受けられるようにすることで禁煙を支援し、市民の健康増進を図りたい考えだ。 札幌市禁煙支援薬剤師がいる薬局の入り口に掲示されるステッカー

 認定薬剤師が薬局で相談者に合った禁煙方法や、薬局で購入できるニコチンパッチなどの禁煙補助剤の使い方を紹介する。事前の予約は不要。市は今後、認定薬剤師がいる薬局の一覧などを市ホームページなどで公表する予定。

 市と薬剤師会が共催する講習会を受講することで認定される。8月23日に初の認定講習会が開かれ、87人の薬剤師が参加した。禁煙専門指導医らが講師を務め、禁煙のメリットや禁煙支援に使われる医薬品の説明などを行った。

 講習会は最初の認定時のほか、2年ごとの更新期に受講する必要がある。また、更新には最低年1回以上の相談記録の提出が求められる。

 札幌薬剤師会の角田俊人副会長は「処方箋がなくても相談できる場であることを知ってほしい。地域住民の健康増進のために求められる薬局を増やしていきたい」と話す。

 市の2022年度の市民意識調査によると、喫煙率は男性が26.5%、女性が10.1%となっている。全国は男性が24.8%、女性が6.2%でいずれも札幌市の喫煙率が上回っている。

 市は、20年に「さっぽろ受動喫煙防止宣言」を表明。受動喫煙対策の五つの重点対策の一つを「禁煙したい人を応援します」としている。市はこれまでパネル展など啓発活動をしてきたが、禁煙希望者への直接支援に乗り出すのは初めて。

 市ウェルネス推進課は「処方箋がいらないので禁煙外来よりもハードルが低く、利用しやすい。喫煙者本人に限らず、家族など身内の人も気軽に活用してもらいたい」としている。