2025年10月16日 5:00 河北新報 https://kahoku.news/articles/20251015khn000080.html
県内の医師らで組織するNPO法人禁煙みやぎ(角田市)と15医療機関が、郡和子仙台市長に対して受動喫煙を防止する条例の制定を求める要望書を提出した。
屋外の公共空間を禁煙とするように要求。15日、関係の医師らが仙台市内で記者会見し「市の対策は不十分」と主張した。
要望書提出は1日付。公園や歩道など屋外の公共空間での禁煙、コンビニエンスストアやたばこ小売店の敷地内禁煙の義務化などを求めた。
禁煙みやぎの山本蒔子理事長は会見で「喫煙者はニコチン依存症という病気。受動喫煙防止の配慮を求めても難しい。吸う場所があれば吸ってしまう」と、条例による規制強化を主張した。
JR仙台病院(青葉区)の石岡千加史院長は「市は予防医学に力を入れ、医療費支出を抑制するためにも喫煙の害をなくすべきだ」と述べた。
全国の政令市20市のうち、路上喫煙を禁止する条例を制定していないのは仙台市のみ。市には歩行中や自転車走行中の喫煙を禁止する条例があるが、公園での喫煙や路上で立ち止まって喫煙することは禁じていない。
市は2019年に受動喫煙防止対策ガイドラインを改訂。公園など子どもが多く利用する場所では「配慮が必要」「喫煙は控えることが望まれる」と喫煙者のマナーに委ねている。
市保健衛生部の清水充部長は要望について「今後の受動喫煙対策の参考にしていく」と話している。