(5)

 そのころ、川辺にいたカバくんも、キリンくんと同じような悲しい気持ちになっていました。
 

 目の前の、積み重なった岩の上に、タバコが投げ捨てられていて、そこから黒い煙が、モクモクと出ているではありませんか。それどころか、タバコは赤々と燃えていて、その炎が少しずつ、周りの枯れ草に広がって、大きくなっていきます。
 

 カバくんはあわてて、川の水を口いっぱいに吸い上げ、真っ赤になったタバコへ目がけて、「ガバーッ」と、水をはき出し、火を消しました。
 

「ちょうど川辺で、水があったからよかったものの、水のないところだったら …。
あぁ、無責任な人もいるもんだ。それにしても、危なかったなー。」
 

 そう言ってカバくんは、悲しい顔をしました。