(5) ぼくは、お母さんと一緒に、おっちゃんの大好きなイカ焼きとタコ焼きをさし入れにいった。 病院には、おばあちゃんが付き添いにきていた。 「おっちゃん、熱っつあつのイカ焼きとタコ焼きもってきたで、一緒に食べよ。」 おっちゃんは、ふとんをかぶってベッドにうずくまっていた。 「ああ…ひろきか。ようきてくれたな…。 おっちゃんは、ふとんからちょっと顔をのぞかせて、それだけ言うとまたすぐふとんの中にうずくまってしまった。 ・・
むかつくのは抗ガン剤の副作用のせいや
・・ お母さんも明るく元気な声で、 「おっちゃん、はよ元気になってな、またくるからな。」 |