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こどもをまもれ
 

酒井裕美  酒井宏輝
 

 
ある町に、ねこの明るい家ぞくが住んでいました。

お父さん、お母さん、そしてじゅんちゃんとももちゃんの兄妹です。

この家ぞくには楽しみにしている出来事があります。
それは、もうすぐ赤ちゃんが生まれることです。

ももちゃんは、お姉さんになれることがうれしくてうれしくてたまりません。

この家のお父さんは、タバコが大すきです。いつもポケットに入れて、よく吸っていました。

子ども達といっしょに庭で遊んでいる時も吸っているんです。

最近、元気な子ども達の様子がちょっとおかしいのです。


ももちゃんは目がチカチカしたり、むねがムカムカしたりして、気持が悪いと言います。
じゅんちゃんはしょくよくがありません 。

そこでお母さんは、お医者様にみてもらうことにしました。
お医者さん「のどをみせてごらん。かぜではないね。」
ももちゃん
「目がチカチカしていたいの。ごはんもあまり食べたくないの。」

 
お母さん
「いままで外で元気に遊んでいたのに、このごろでは気持が悪いと言って、家の中でごろごろしているんです。」
お医者さん
「それは、おかしいね。」

そして…
お医者さん
「お父さんはタバコを吸っているかね。タバコのけむりを吸っているとこんなふうに気持ちが悪くなってくるんだが。」

 
じゅんちゃん
「いつも吸っています。ぼく達といっしょにテレビを見ている時も吸っています。」

お医者さん「ああー、タバコがげんいんだね。それは。」
お母さんを見て

お医者さん
「おなかの大きなお母さんには、とくによくないね。タバコのけむりを吸っていると、元気な赤ちゃんが生まれにくいよ。」
と言いました。


三人はびっくりしました。

さっそくお父さんに、タバコをやめてもらうようにおねがいしました。

お父さん「エッー、タバコはやめられないよ。お父さんの一番の楽しみなんだからね。」

と言って、ぜんぜんお父さんは聞いてくれません。


みんなでテレビを見ている時もタバコをやめようとしないのです。
じゅんちゃんは、タバコのけむりがあまりひどいので、まどを開けました。

するとお父さんは、いつもよりたくさんのタバコを吸いはじめました。
お母さんはどうしたらいいのか分からず、困ってしまいました。

 
ある日のこと、こんどはお父さんがおなかがいたくなり、病院へ行くことになりました。
お父さん
「むねがムカムカして、はきけをもよおしたり、おなかがいたくって動けないんです。」

お医者さん「タバコを吸いすぎるからですよ。やめないといけませんね、タバコを。からだの中がもうまっ黒ですよ。」
と言いました。           そして…

お医者さん「お父さんがタバコを吸っていると、まわりにいる家ぞくの人も、吸っているのと同じなんですよ。
家ぞくの人が、知らず知らずのうちにたくさんのどくを吸っているんですよ。おなかにいる赤ちゃんも、けむりのどくをお母さんといっしょに吸っているんです。赤ちゃんは、けむたいといってまどを開けたり、ほかのへやににげていくこともできないんです。だからおなかの中でしんでしまうこともあるんです。」と言いました。

お父さんは、お医者さんの話を聞いてびっくりしました。

お父さんは、病気になってはじめて、タバコが体によくないということがわかったのです。
お父さんは、タバコをやめることにしました。
外で運動したり、野菜や果物を食べたり、お父さんは、とてもよくがんばりました。


お父さんの病気も、タバコをやめると少しずつなおってきました。そして、子ども達とも、元気に遊ぶようになりました。

みんなが楽しみにしていた赤ちゃんも、元気に生まれました。
タバコをやめてから、お父さんも元気になり、みんなで楽しくくらすことができました。

 

 

〜おしまい〜


THE END
 

 

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