サンタさんの手紙

 加藤真理子、佐々木 優、西本万里子

 

 サンタさんの
         たばこの

   
    はじまり、

   はじまり〜。

 

 


ここがサンタクロースの家だな。」

そういって黒ずくめのプレゼントを持った怪しげ男が、サンタさんの家の前に立ちドアをコンコンとノックしま した。

 

 

サンタさんがドアを開けると、男は
「いつもプレゼントをあげてばかりいるサンタさんに、プレゼントです。」

といって、たばこがぎっしりつまった箱をサンタさんに渡し、去っていきました。

 

 

「吸うんですか、サンタさん。」
「吸っちゃだめですよ、サンタさん。」

そういって、サンタさんといっしょに暮らしているトナカイさんたちは、止めたのですが、サンタさんは、たばこを吸ってみたいという誘惑にたえられず、とうとうたばこを吸ってしまったのです。

 


それからは、サンタさんはプレゼントを包む時も、何をする時も、たばこを吸うようになりました。

トナカイさんたちは、けむたくてたまりません。

 

 

 

ある日トナカイさんは、たばこの煙とにおいにがまんできなくなってサンタさんにいいました。

「サンタさんたばこをやめてください。すごく迷惑なんです。」

でもサンタさんはきかないのです。

 


とうとう、トナカイさんは怒ってしまいました。

 


 

 

 

「サンタさんわかってるんですか? たばこを吸ってると、肺ガンになって死んじゃうんですよ。それでもいいんですか?」
 

 

「それにサンタさんがたばこを吸ってると、サンタさんだけじゃなく、まわりの人にも悪いんです。子どもたちも、そんなサンタさんを嫌いになってしまうでしょうね。」

トナカイさんは、いっきにいいました。
 

 

 

サンタさんは大きなショックをうけました。

そんなことは全然しらなかったのです。

 


「トナカイよ。すまなかったのう。わしは禁煙することにするよ。」
サンタさんがそういうと、トナカイさんは、
「がんばってくださいね。」
とうれしそうにいいました。

それを窓の外からみていた、あの黒ずくめの怪しげな男は・・・

 

 

 


「ちっ失敗したか。」といって雪の中に消えていきました。

黒ずくめの怪しげな男は、何百年も生きているサンタさんを、たばこの害で死なせようとした死神だったのです。
 

 

サンタさんは、その日からすぐ禁煙を始めました。
すぐにやめられると思っていたのですが、なかなかたばこのことが忘れられません。

そうしているうちに、クリスマスの日が近づいてきました。

 

 




クリスマスの日、サンタさんは、トナカイさんたちとプレゼントを配りにでかけました。

 

 

 

すやすやと眠っている子どもたちの寝顔をみているうちに、サンタさんはたばこのことを忘れていきました。

 

 

クリスマスの次の次の日、サンタさんのところに手紙がきました。
子どもたちからのお礼の手紙です。サンタさんはそれをみて、とてもうれしくなり、たばこのことを完全に忘れてしまいました。それをみて、トナカイさんは、
「もうこの紙はいらないな。」とつぶやき、「禁煙」とかいてある紙をやぶりすてました。

 

サンタさんはその後、二度とたばこを吸うことはありませんでした。
 



おしまい