2005年度6月 全国規制改革要望書  2005.8.16更新 2009.3.16補充

【経緯1】
国においては、平成1761日から630日の間を「特区、地域再生、規制改革
・民間開放集中受付月間」とし、地域の特性に応じた規制改革を実施する「構造改革
特区」の第7次提案、全国規模の規制改革等の募集を行いました。詳細は以下です。

 

「6月は,特区、地域再生、規制改革・民間開放集中受付月間です」

   http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/osirase/050518/index.html

 別添1の別紙2:

   http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/osirase/050518/betu2.html

 

本会は,以下7項目を要望提案しました。     2005.6.29(順不同)

5.たばこ事業法の健康関連条項の改廃・見直しと厚生労働省への移管措置【新規】

6.包括的なタバコ規制法を制定する措置【新規】

4.受動喫煙防止について施設管理者に義務化をはかる措置【新規】

1.未成年者が店舗閉店後もタバコを買える自動販売機を稼働停止する措置【新規】

2.未成年者喫煙禁止法による年齢確認を遵守する措置【新規】

3.未成年者喫煙禁止法違反の起訴で略式命令の請求が可能な措置【新規】2009.3.16補充

7.タバコ対策費へのタバコ消費税の充当措置【新規】

 

 本会は,200511月の受付月間の折には,下記15項目を要望提案し,回答がありました。

         http://notobacco.jp/kisei/kaikakuyobo0511.htm

 

    要望主体者  特定非営利活動法人「子どもに無煙環境を」推進協議会

            〒540-0004 大阪市中央区玉造1-21-1-702
            http://notobacco.jp/muen/   公開 可

 

【経緯2】

下記のように,7/19に関係省庁に検討要請がされ,7/26頃に回答があり,それに対する意見

を当方より申し述べる必要がある,とのことです。(下記PDF27ページに本要望が掲載)

 

〈規制改革・民間開放推進会議〉
 全国規模の規制改革及び市場化テストを含む民間開放要望に関する検討要請について(お知らせ)

 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kiseikaikaku/osirase/050719/yousei.html

  資料1 要望主体別「要望事項(事項名)」「管理コード」「制度の所管官庁」「項目」一覧表

   様式A(様式5)全国規模の規制改革要望  PDF (155KB)

 

【経緯3】

関係省庁に対する検討要請の第1次の回答が,下記に掲載されました(下記の本会要望文の各項(3)

赤&黒字で転載明記しました)。この回答に対して意見がある場合は,8/3までに提出する必要があります。

 

 「全国規模の規制改革及び市場化テストを含む民間開放要望」に対する各省庁からの回答について

  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kiseikaikaku/osirase/050726/050726kaitou.html

 

この回答に対する,本会の更なる意見は,各項表の下欄に赤&黒字で記載しました。

【経緯4】

上記を踏まえ,内閣府より,関係省庁に対し,再検討要請がされ(8/5,下欄(3)青字で記載
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kiseikaikaku/osirase/050805/050805kaitou.html

これに対する関係省庁の再回答の取り纏めが公表されました。(8/12

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kiseikaikaku/osirase/050812/050812kaitou.html

(下記の本会要望文の各項(3)の下欄に青字で転載明記しました)。

 

 5項の「たばこ事業法の健康関連条項の改廃・見直しと厚生労働省への移管」は,再検討要請なし

 4項の「受動喫煙防止の義務化」は,内閣府から厚労省へ再検討要請なし
 7項の「タバコ消費税の対策への充当」は,税制関係なので再検討なし
 3項の「未成年者喫煙禁止法違反の起訴で略式命令の請求」は,今後検討が進められる

1カ月後くらいに,政府の対応方針を決めるようです。(政局によりずれ込むかも)

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(1)要望事項番号

 

(2)要望事項(事項名)

たばこ事業法の健康関連条項の改廃・見直しと厚生労働省への移管措置【新規】

 

(3)具体的要望内容

 本法の第一条(目的)「この法律は、(略)我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」は,改廃すべきである。

 第三十九条(注意表示)「製造たばこに、消費者に対し製造たばこの消費と健康との関係に関して注意を促すための財務省令で定める文言を、財務省令で定めるところにより、表示しなければならない。」,及び第四十条(広告に関する勧告等)「製造たばこに係る広告を行う者は、未成年の喫煙防止及び製造たばこの消費と健康との関係に配慮するとともに、その広告が過度にわたることがないように努めなければならない。 2 財務大臣は、前項の規定の趣旨に照らして必要があると認める場合には、あらかじめ、財政制度等審議会の意見を聴いて、製造たばこに係る広告を行う者に対し、当該広告を行う際の指針を示すことができる。」の2条項は見直し,健康を所管する厚生労働省に移管すべきである。

制度の現状(財務省回答)

 財務省においては、条約締結のための国内措置の一環として、財政制度等審議会たばこ事業分科会での審議を踏まえ、一昨年11月にたばこ事業法施行規則の改正を行い、これに基づき本年7月以降、すべてのたばこ製品に新たな注意文言が表示されているほか、昨年3月にたばこ事業法第40条に基づく「製造たばこに係る広告を行う際の指針」の改正を行い、これに基づき、公共交通機関内におけるたばこ広告の禁止等の措置が開始されている。

対応策[措置の概要](財務省回答) 

 財務省においては、たばこ事業法第1条に規定する「我が国たばこ産業の健全な発展」という目的の下に、第39条に基づく製造たばこの消費と健康との関係に関して注意を促すための注意文言表示の義務付け及び第40条に基づく広告を行う際の指針の制定等を行ってきており、たばこ事業法の目的を規定する第1条と第39条及び第40条とは矛盾するものではない。

 なお、今般の注意文言等の見直しに当たっては、財政制度等審議会における審議において、厚生労働省等からも意見を聴取するとともに、注意文言については厚生労働省のホームページアドレスを付記し、たばこの健康に対するリスク情報について更なる情報提供を可能としているところである。したがって、たばこ事業法に係る注意文言等に関する条項の見直し及び移管については要しないと考える。

更なる意見(本会)8/3  2 7

 条約は国内法よりも上位(優位)の法規範なので,たばこ事業法は第1条(目的)に,たばこ規制枠組条約を遵守することを盛り込む法改正を行うべきである。その上で,たばこ規制枠組条約第5条では「たばこ規制のプログラムと調整のための仕組み又は中央連絡先を確立・強化すべき」とされているので,財務省が自らの所管する「たばこ事業法」健康関連条項の改廃・移管を否定するのであれば,政府としてより高い見地から,たばこ規制枠組条約第2条で「締約国はこの条約を越える措置をとることが奨励される」ことからも,条約を越える可能な限り最大限の措置を採ることとし,そのために本条約第5条に沿って内閣府に「たばこ対策調整室」を設け,警告表示や広告禁止権限等の移管を含めた総合的な対策措置を進めるべきである。

内閣府からの再検討要請

 なし

 

 

(4)具体的事業の実施内容

たばこ規制枠組条約に沿って,タバコの製造・販売よりも,国の根幹である国民の健康づくりを優先した施策を進めるために,たばこ事業法の健康関連条項を改廃・見直しし,タバコの健康に関連する施策を厚生労働省が一元的に所管することにより,国内的・国際的諸対策がスムーズに進むことが期待される。

 

(5)要望理由

 本法の第一条(目的)の2箇所の「健全な発展」は,タバコの製造・販売の優先を唱う文言であり,たばこ規制枠組条約が2005227日にわが国でも発効し,また喫煙及び受動喫煙の健康への悪影響が明らかにされ,国民経済にも損失をもたらしていて,国の根幹である国民の健康福祉の増進をはかるわが国の方向と相容れないので,この条項を改廃・見直しすべきである。

 第三十九条(注意表示),及び第四十条(広告に関する勧告等)の2条項は,国民の健康に密接に関連し,財務省が定めるのは不自然がある。注意表示は健康警告表示として,健康を所管する厚生労働省が医学的知見と責任により定めるべきであり,またタバコ広告については健康福祉面から公共の利益に反するので,包括的な禁止を行うことを視野に,健康所管の厚生労働省に移管すべきである。諸外国では既にこれらは健康所管省の権限となっている。

 

(6)根拠法令等

たばこ規制枠組条約(第11条,13条) 資料1

たばこ事業法 第一条(目的),第三十九条(注意表示),第四十条(広告に関する勧告
 等)(上記に引用記載) 資料10

たばこ事業法施行規則(昭和六十年三月五日大蔵省令第五号)(別添) 資料11

・製造たばこに係る広告を行う際の指針(別添) 資料12

 

(7)制度の所管官庁

財務省,外務省

 

(8)その他(特記事項)
・新聞記事 大島 明(日本禁煙推進医師連盟会長)

      「喫煙対策推進−たばこ事業法 抜本改正を」
       (2004.3.12読売新聞論点,別添) 資料13

●一体的に実施希望事項番号6

 

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 (1)要望事項番号

 

(2)要望事項(事項名)

包括的なタバコ規制法を制定する措置【新規】

 

(3)具体的要望内容

わが国でも,たばこ規制枠組条約が発効したことから,タバコの健康対策をメインにした包括的なタバコ規制法を制定し,日本政府として整合性のある対策を進めるべきである。この内容としては,受動喫煙防止,家庭における受動喫煙防止,未成年者喫煙禁止対策,喫煙防止教育,禁煙治療と喫煙者の禁煙推進サポート,タバコ製品への健康警告表示,タバコ広告とスポンサーシップ規制・禁止,タバコ消費税の対策費への充当,タバコ消費税率の引き上げ,転業支援,免税タバコの販売禁止,対策推進機構・態勢の設置,調査・モニタリングと広報センターの設置などを含む包括的な法律とすべきである。

制度の現状(財務省回答)

 財務省においては、条約締結のための国内措置の一環として、財政制度等審議会たばこ事業分科会での審議を踏まえ、一昨年11月にたばこ事業法施行規則の改正を行い、これに基づき本年7月以降、すべてのたばこ製品に新たな注意文言が表示されているほか、昨年3月にたばこ事業法第40条に基づく「製造たばこに係る広告を行う際の指針」の改正を行い、これに基づき、公共交通機関内におけるたばこ広告の禁止等の措置が開始されている。

対応策[措置の概要](財務省回答) 

 財務省においては、条約締結のための国内措置の一環として、財政制度等審議会たばこ事業等分科会での審議を踏まえ、平成1511月にたばこ事業法施行規則の改正を行い、これに基づき、平成17年7月以降、すべてのたばこ製品について新たな注意文言が表示されており、また、平成16年3月にたばこ事業法第40条に基づく「製造たばこに係る広告を行う際の指針」の改正を行い、これに基づき、公共交通機関におけるたばこ広告の禁止等の措置が平成1610月より開始されている。

 したがって事業者に対する規制については、別途新たに包括的なたばこ規制法を制定する必要はないものと考えている

制度の現状(厚生労働省回答)

 多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない(健康増進法第25条)。

対応策[措置の概要](厚生労働省回答) d T

 「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の審議過程において、各関係省庁は、本条約を批准するために必要な国内法の整備を既に行ってきたところであり、厚生労働省としては「たばこの煙にさらされることからの保護」(受動喫煙の防止)について、健康増進法第25条に基づき種々の施策を講じている。したがって、受動喫煙について、別途新たな法律を制定する必要はないものと考えている。                                                                                    

またこの他に厚生労働省としては、

@平成12年から実施している「健康日本21」に掲げる、「喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及」、「未成年者の喫煙の防止」、「公共の場や職場での分煙の徹底及び効果の高い分煙についての知識の普及」、「禁煙を希望する者に対する支援プログラムの普及」について、具体的な目標を立てたたばこ対策の推進、

A新たな「職場における喫煙対策のためのガイドライン」の策定など、たばこが健康に及ぼす影響から現在及び将来の世代を保護するというたばこ規制枠組条約の趣旨に沿ったたばこ対策を推進しているところである。

 さらに、平成16年6月に「たばこ対策関係省庁連絡会議」を設置し、本年1月の第1回会議において未成年者の喫煙防止対策、受動喫煙防止対策の一層の推進を図っていくことを確認したところであり、今後とも関係省庁と密接な連携を図りながら、たばこ対策に積極的に取り組んでいくこととしているところである。

制度の現状(警察庁回答)

 未成年者喫煙禁止法では、未成年者の喫煙を禁止するとともに、未成年者の親権者等に対し、未成年者の喫煙を制止しない行為に罰則を設けているほか、たばこ等の販売者に対しては未成年者の喫煙防止に資するため年齢確認その他必要な措置を講じるものとしている。また、未成年者の自用に供することを知りながらたばこ等を販売する行為を処罰することとされている。

対応策[措置の概要](警察庁回答) 

 未成年者喫煙防止対策については、未成年者喫煙禁止法により必要な規定を設けているところであり、直ちに包括的なたばこ規制法の必要は認められない。

制度の現状(文部科学省回答)

 学校教育では、未成年の段階から喫煙をしないという態度を育てることを目的として、保健体育や特別活動をはじめ、学校教育活動全体を通じて喫煙防止に関する指導を行っている。

対応策[措置の概要](文部科学省回答) 

 学校における喫煙防止教育の推進のため、喫煙防止教育に関する教師用指導参考資料や、たばこの害などを分かりやすく解説した児童生徒用パンフレットの作成・配布等を進めています。

更なる意見(本会)8/3  2 7

(1)例えば,公共交通や公共性の高い場所でのタバコ広告は禁止(製造たばこに係る広告を行う際の指針,自主規制)となったが,プラットホームの自販機や喫煙所では堂々と広告があり,公道のタバコ店と自販機には広告が掲げられている。公共性の高い新聞や雑誌では大きなカラー広告がされている。タバコパッケージの健康警告表示は諸外国に比べビジュアル性に欠けていて警告効果は不十分である。インターネットでタバコが販売されている。タバコ価格は諸外国に比べても相対的に安すぎる。学校では,高校生の懲戒の半数は喫煙によると公表されていて,喫煙防止教育だけでは学校現場は対処できない。

(2)国民の健康づくりと医療費引き下げのために,受動喫煙防止の徹底(義務化)は必須であり,知識の普及やガイドラインの策定だけでは進みがたい。また子ども・胎児の受動喫煙防止保護は喫緊であり,禁煙治療の保険適用(診療報酬の点数化),及び禁煙希望者への支援に留まらずより進めた健診や人間ドックにおける喫煙者への「要・禁煙治療通知」の義務化(安全衛生法及び老人保健法関係),転業支援などが不可欠である。健康日本21は,2010年までに未成年の喫煙をなくす目標値を掲げているが,現行の自販機や広告施策などでは到底目標を達成できないし,その方策も提示されていない。

(3)これら諸課題は,既成のたばこ事業法と健康増進法の手直し,及び未成年者喫煙禁止法の運用だけでは対処が進み難い。課題は省庁の枠組みを越えているし,「たばこ対策関係省庁連絡会議」は1年以上を経過するも実績を作り得ていない。たばこ規制枠組条約を受けた法体系の構築整備が喫緊に不可欠であり,政府としてより高い見地から,たばこ規制枠組条約第2条で「締約国はこの条約を越える措置をとることが奨励される」ことからも,本条約第5条に沿って内閣府主導の整合性のある「包括的なタバコ規制法」を制定する方向に舵をとるべきである。

内閣府からの再検討要請文8/5

○以上の要望者意見を踏まえ、再検討されたい。 

財務省再回答8/12

 「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の審議過程において、各関係省庁は、本条約を批准するために必要な国内措置を既に行ってきたところであり、財務省においては、平成1511月にたばこ事業法施行規則の改正を行い、これに基づき、平成17年7月以降、すべてのたばこ製品について新たな注意文言が表示されており、また、平成16年3月にたばこ事業法第40条に基づく「製造たばこに係る広告を行う際の指針」の改正を行い、これに基づき、公共交通機関におけるたばこ広告の禁止等の措置が平成1610月より開始されている。なお、本件措置にあたっては、財政制度等審議会における議論を踏まえ、パブリックコメントの手続を経て実施したところである。

 また、未成年者の喫煙防止を図る観点からの自動販売機の店舗内設置は、店舗併設等の対応が不十分な小売販売業者に対しては、今後新たな許可条件付与等を行うなど、厳正に対処していくこととしている。

 したがって事業者に対する規制については、別途新たに包括的なたばこ規制法を制定する必要はないものと考えている。

 さらに、平成166月に「たばこ対策関係省庁連絡会議」を設置し、本年1月に第1回会議を開催したところであり、今後とも関係省庁と密接な連携を図りながら、たばこ対策に積極的に取り組んでいくこととしているところである。

厚生労働省再回答8/12

 前回回答したとおり、「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の審議過程において、各関係省庁は、本条約を批准するために必要な国内法の整備を既に行ってきたところであり、厚生労働省としては「たばこの煙にさらされることからの保護」(受動喫煙の防止)について、健康増進法第25条に基づき種々の施策を講じている。したがって、受動喫煙について、別途新たな法律を制定する必要はないものと考えている。

 

 またこの他に厚生労働省としては、

@今年度中に禁煙支援マニュアルを策定するほか、

A未成年者や子どもへの影響の大きい父母等に対する喫煙防止対策及び特に受動喫煙防止対策が遅れている娯楽施設等における受動喫煙防止対策を効果的に推進することに重点を置いたたばこ対策緊急特別促進事業を実施しており、たばこが健康に及ぼす影響から現在及び将来の世代を保護するというたばこ規制枠組条約の趣旨に沿ったたばこ対策を推進しているところである。

 

 さらに、平成16年6月に「たばこ対策関係省庁連絡会議」を設置し、本年1月の第1回会議において未成年者の喫煙防止対策、受動喫煙防止対策の一層の推進を図っていくことを確認したところであり、今後とも関係省庁と密接な連携を図りながら、たばこ対策に積極的に取り組んでいくこととしているところである。

警察庁再回答8/12

 前回の回答のとおり、未成年喫煙防止対策については、未成年者喫煙禁止法により必要な規定を設けているところであり、未成年者喫煙防止の観点からは、直ちに包括的なたばこ規制法の必要は認められない。

文部科学省回答8/12
 
文部科学省では、学校における喫煙防止教育の推進のため、喫煙防止教育に関する教師用指導参考資料や、たばこの害などを分かりやすく解説した児童生徒用パンフレットの作成・配布等を進めています。また、健康増進法の施行を受け、学校等に対し、受動喫煙防止対策及び喫煙防止教育の推進について通知を発出し、周知を図りました。

 

(4)具体的事業の実施内容

たばこ規制枠組条約の発効を受け,現在政府に,たばこ対策関係省庁連絡会議が12省庁で設けられている。タバコ対策は多岐に亘るが,これらを網羅した包括的なタバコ規制法の制定により,国内的且つ国際的なタバコ対策の推進が期待される。

 

(5)要望理由

 わが国でも,たばこ規制枠組条約が発効したことから,タバコの健康対策をメインにした包括的なタバコ規制法を制定し,日本政府として整合性のある対策を進めるべきことが期待されている。

 タバコに関係した法律としては,たばこ事業法,及び健康増進法第25条があるが,特に健康増進法については,受動喫煙防止が1条あるだけで,余りに不十分である。上記の法の改廃を含め,たばこ規制枠組条約を受けた法体系の構築整備が喫緊に不可欠であり,条約第2条で「締約国は,この条約を越える措置をとることが奨励される」ことからも,包括的なタバコ規制法を制定すべきである。

 

(6)根拠法令等

たばこ規制枠組条約 資料1

 

(7)制度の所管官庁

財務省,厚生労働省,警察庁,文部科学省,外務省

 

(8)その他(特記事項)

●一体的に実施希望事項番号123457

 

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(1)要望事項番号

 

(2)要望事項(事項名)

受動喫煙防止について施設管理者に義務化をはかる措置【新規】

 

(3)具体的要望内容

2003年5月1日施行の「健康増進法」第25条で,公共の場での受動喫煙の防止の努力義務が管理者に課せられた。本法を受けて同年4月30日の厚生労働省健康局長通知で,「全面禁煙は,受動喫煙防止対策として極めて有効である」とされた。本法及び通知を受けて,自治体庁舎の全面禁煙や学校敷地内禁煙,金融機関のロビー・ATMコーナーの禁煙,警察の公の場,航空機,首都圏の私鉄の禁煙などが進んでいる。

 しかし本法は努力規定であるために,レストラン・食堂,理美容店,公衆浴場,タクシー,JRの一部,公道,職場などの禁煙は必ずしも進んでおらず,受動喫煙から国民の健康を守る対策が徹底しているとは言えない。本法と同じ厚生労働省労働基準局が所管している「職場における喫煙対策のための新ガイドライン」(2003年5月)では,全面禁煙に触れず,「受動喫煙を確実に防止する観点から,可能な限り,非喫煙場所にたばこの煙が漏れない喫煙室の設置を推奨する」としている例を見るように,分煙は受動喫煙防止策としては不十分であり対策を阻んでいる面があるので,管理者に全面禁煙を基本とした受動喫煙防止の義務を課するべきである。

制度の現状(厚生労働省回答)

 多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない(健康増進法第25条)。

対応策[措置の概要](厚生労働省回答) c T

 公共の場における受動喫煙防止対策については、健康増進法第25条において、「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店」等の幅広い対象施設を管理する者に受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努力義務を課している。これらの施設がとるべき措置の具体的方法については、全面禁煙は受動喫煙防止対策として極めて有効であるが、施設の規模、構造、利用状況等が各施設により様々であり、施設の様態や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策を進める必要があるため、「分煙効果判定基準策定検討会報告書」等を参考にした適切な分煙措置をとることを認めており、一律に全面禁煙を義務づけることは困難である。なお、受動喫煙防止対策の一層の推進を図るため、

@特に対策が遅れている施設等を対象とした禁煙・分煙指導の強化を図ること

A効果の高い分煙に関する知識の普及を図ることなどに重点を置き、様々な機関、団体等の協力を得ながら受動喫煙防止対策を推進しているところである。

 また、職場における喫煙対策については、平成15年5月「職場における喫煙対策のためのガイドラインについて」により受動喫煙防止のために有効な喫煙室等の設置を推進しているところであり、本年6月「職場における喫煙対策のためのガイドライン」に基づく対策の推進についての労働基準局安全衛生部長通知により、都道府県労働局長あてに喫煙室により「十分な対応を行うことが困難な場合には、受動喫煙を確実に防止する観点から全面禁煙による対策を勧奨する」ことを事業者等に指導するよう通知しているところである。

更なる意見(本会)8/3

(1)受動喫煙防止は,疾病やがん予防を含め,国民の健康を増進するために国の責務として極めて重要かつ火急である。特にサービス業やタクシー,職場,公道,家庭においては自主性の委ねられる部分が多い努力義務では受動喫煙防止は限界がある。職場のガイドラインも指針・推奨であることから,実効性には限界があって,義務化をすべき段階に来ている。また例えばレストランなどでは,「法的に禁煙が定められれば従う」が大多数との調査結果もある。既に都道府県立学校の半数は敷地内禁煙(予定を含む)の実績があり,地方自治体の約3040%は庁舎禁煙としており,金融機関や郵便局のロビーは殆ど全てが禁煙となっているし,航空機は数年前より全面禁煙になっているなど,実績が積み上がっているが,対象施設により対策がとられていないアンバランスがあり,何時でも何処でも国民が受動喫煙から健康が守られているとは言えない実態がある。

(2)また現状では,「喫煙所」「喫煙室」「喫煙車」に子どもが親などと同伴で入れられてしまうことが防止出来ない。JRなど施設管理者は,「親(など)の責任・自己責任」と説明しているが,少なくとも喫煙車の切符は子ども連れには売らないとか,喫煙車・所には子どもは入れませんとか,明記し,義務づける必要がある(同じ厚生労働省所管の「健やか親子21」の理念からも不可欠である)。

(3)健康日本21の中間見直しの本年に,受動喫煙防止の義務化を打ち出すのはタイムリーであるし,国民の支持が得られる。健康増進法第25条の受動喫煙防止の義務化以外に,例えば別項目で要望している「包括的なタバコ規制法の制定」に入れ込む方法も含め,義務を課するべきである。

内閣府からの再検討要請

 なし

 

 

(4)具体的事業の実施内容

受動喫煙防止の施設管理者への義務付けにより,受動喫煙による健康損傷から国民の健康が守られ,かつ喫煙者自身も禁煙への動機付けになることから,医療費減少や喫煙による社会的損失の減少により,国民福祉の増進が図られる。

 

(5)要望理由

「健康増進法」第25条で,公共の場での受動喫煙の防止の努力義務が管理者に課せられ,厚生労働省健康局長通知で,「全面禁煙は,受動喫煙防止対策として極めて有効である」とされ,この本法及び通知以前より,分煙・禁煙はわが国でも進みつつあったが,本法施行以後,禁煙がよりいっそう進んでいるところである。

 しかし本法は努力規定であるために,レストラン・食堂,理美容店,公衆浴場,タクシー,JRの一部,公道,職場などの禁煙は必ずしも進んでおらず,受動喫煙から国民の健康を守る対策が徹底しているとは言えず,分煙は受動喫煙防止策としては不十分であり対策を阻んでいる面がある。例えば,レストランや旅行ツアーなどで,非喫煙者が喫煙席に座らされることは受動喫煙防止上あってはならない。これらの抜本的改善のために,管理者に全面禁煙を基本とした受動喫煙防止の義務を課するべきである。

 

(6)根拠法令等

たばこ規制枠組条約(第8条) 資料1

健康増進法(第25条) 資料6

厚生労働省健康局長通知 (2003.4.30) 資料7

職場における喫煙対策のための新ガイドライン(別添) 資料8

 

(7)制度の所管官庁

厚生労働省,外務省

 

(8)その他(特記事項)

・理戦78 中田ゆり「サービス業の分煙は遅れている」(2004.10) 資料9

●一体的に実施希望事項番号6

 

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(1)要望事項番号

 

(2)要望事項(事項名)

未成年者が店舗閉店後もタバコを買える自動販売機を稼働停止する措置【新規】

 

(3)具体的要望内容

タバコ自動販売機が店舗に併設(店舗内の従業員のいる場所から当該自動販売機及びその利用者を直接かつ容易に視認できる状態をいう)していても,休日や営業時間外(深夜23時〜5時の稼働の自主停止を除く)には,従業員は視認出来ないことから,未成年者は自由にたばこを購入できるので,未成年者喫煙防止の観点から,休日や営業時間外も,自販機の稼働の停止を義務づけ,あるいは自粛を指導すべきである

制度の現状(財務省回答)

 たばこの小売販売については、営業所ごとにたばこ事業法第22条の規定に基づく申請があった場合、同法第23条に規定する許可基準を満たす場合において、許可の対象としている。

 ただし、たばこ自動販売機による販売については、たばこ事業法施行規則第20条第3号に規定する「自動販売機の設置場所が、店舗に併設されていない場所等製造たばこの販売について未成年者喫煙防止の観点から十分な管理、監督が期し難いと認められる場所である場合」等については許可をしないこととしている。

対応策[措置の概要](財務省回答) 

 たばこの自動販売機の休日や営業時間外における深夜以外の時間帯での稼動については、深夜の時間帯と比べ相対的に人通りが多く大人の目が届きやすいこと等を踏まえ、利用者の利便性等にも配慮し、自動販売機の稼動停止の義務付けまでは行わないこととしている。

 なお、業界においては、未成年者喫煙禁止の旨を示すステッカーの自動販売機への自主的な貼付を実施してきたところであり、更に、平成20年を目途に成人識別機能付自動販売機の全国一斉導入を図ることとしており、これにより、未成年者喫煙防止の実効性の確保が期待されるところであり、財務省としても、業界における今後の取組状況に応じ、業界等に対する指導を行う等、適切に対処することとしている。

更なる意見(本会)8/3  2 7

(1)休日や営業時間外の相対的に人通りが多く大人の目が届きやすいからといって自販機でタバコを未成年者が買わない保証なり裏付けるデータはない。大人が未成年者が自販機からタバコを買うのを注意するのを期待するのは危害を被るリスクがあり,注意できる社会であることが望まれるとしても,注意しない大人に責任を転嫁するのは間違っている。未成年者が自由に買うことのできる自販機が置かれていることこそにこそ法的矛盾と責任がある。未成年者の7割は自販機で買っているというデータが公表されているし,未成年の若いうちから喫煙を開始するほど,より大きな健康障害がある。利用者の利便性よりも何よりも,次代を担う未成年者の健康こそが重要であり,未成年者喫煙禁止法所管の警察庁自身が「未成年者による喫煙を防止するためには、たばこの販売にあたって、販売事業者が顧客に対面し、未成年である疑いがある場合には年齢確認の措置を確実に講じる必要があると考えております。自販機による販売につきましては、対面による販売と異なり、年齢確認を確実に行うことができないので、警察庁としては、たばこの販売方法としては適当ではないと考えております。」(2004.6.28の第8回たばこ事業等分科会)と発言・指摘していることからも,未成年者の遵法を損なう閉店後稼働は少なくとも止めさせるべきである。

(2)ICカード式自販機が導入されるまでの3年弱をこのまま放置することは,未成年者の健全・健康育成から許されない。この自販機が導入されても,なりすまし購入やカードの転売買などあるであろうし,この自販機を導入しない店舗も相当にある可能性がある。いずれにせよ,それまで手をこまねくのではなく,「視認」が不可能な時間外には至急に稼働を停止させるべきである。

内閣府からの再検討要請文8/5 要望者から、以上のような再意見が提出されておりますので、ご検討の上ご回答をお願いいたします。

財務省再回答8/12

  たばこ自動販売機に関する店舗の休業日又は営業時間外における未成年者喫煙防止策については、全国たばこ販売協同組合連合会において、深夜稼動自主規制が行われていることに加え、社団法人日本たばこ協会、全国たばこ販売協同組合連合会及び日本自動販売機工業会が平成20年を目途に全国のすべてのたばこ自動販売機を成人識別機能付自動販売機に置き換える予定であると承知している。財務省としては、財政制度等審議会の「喫煙と健康の問題等に関する中間報告」(平成141010日)において、「未成年者の喫煙防止の実効性を確保するために、成人識別機能付自動販売機の導入時には、すべての小売販売店において当該自動販売機に置き換えられることが望ましいことから、当局においても適切な指導を行うことを期待する。」とされていることを踏まえて、今後のたばこ業界における成人識別機能付自動販売機の導入に係る取組状況に応じ、適切に対処していきたいと考えている。

 

(4)具体的事業の実施内容

未成年者が,店舗の営業時間外に,タバコ自販機によりタバコを買うことを防止することができ,未成年者喫煙防止法による喫煙防止の担保が可能となる。

 

(5)要望理由

財務省は,たばこ事業法による「製造たばこ小売販売業許可等取扱要領」の改定を行い,2004121日以降の小売販売業の許可申請にあたって,自動販売機が店舗に併設(店舗内の従業員のいる場所から当該自動販売機及びその利用者を直接かつ容易に視認できる状態)でない場合は,許可しない,とのことである。また既許可店では,自販機を設置する場合は店舗に併設することを求め,平成元年6月以前の申請で許可された店で,併設が不可能な場合は,未成年者喫煙禁止の表示,深夜稼働の停止またはICカード式自販機の導入明示を指導し,従わない場合は許可を取り消す,とのことである。店舗併設の趣旨からすれば,未成年者のタバコ購入防止のために店舗閉店後の自販機の稼働は当然に停止すべきである。

 

(6)根拠法令等

・たばこ規制枠組条約(別添16条) 資料1

・未成年者喫煙禁止法(別添46条) 資料2

・たばこ事業法(別添23条) 資料2

・たばこ事業法施行規則別添20条三) 資料2
製造たばこ小売販売業許可等取扱要領(別添,抄) 資料2
「平成元年6月以前の申請により許可された製造たばこ小売販売業者に係る条件につい
 て」通達(案)等』に対する意見募集について(別添) 資料3

 

(7)制度の所管官庁

警察庁,財務省,外務省

 

(8)その他(特記事項)

●一体的に実施希望事項番号23

 

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(1)要望事項番号

 

(2)要望事項(事項名)

未成年者喫煙禁止法による年齢確認を遵守する措置【新規】

 

(3)具体的要望内容

未成年者喫煙禁止法第四条(煙草又は器具を販売する者は満二十年に至らざる者の喫煙の防止に資する為年齢の確認其の他の必要なる措置を講ずるものとす)の「其の他」は,未成年者喫煙禁止の表示・明示の自販機へのステッカーなどの貼付でも可と解釈されていて,未成年者喫煙防止に有効に作用していないので,「其の他の必要なる措置」を削除する法改正をすべきである。

制度の現状(警察庁回答)

 未成年者喫煙禁止法第4条では「煙草又ハ器具ヲ販売スル者ハ満二十年ニ至ラザル者ノ喫煙ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス」と規定されている。

対応策[措置の概要](警察庁回答) c

 未成年者への煙草等の販売を防止するためには、年齢確認のみならず、未成年者には煙草等を販売しない旨の掲示、従業員に対する研修等の対策を総合的に講じていくことが必要であり、未成年者喫煙禁止法第4条の「其ノ他ノ必要ナル措置」を削除することは不適当である。

更なる意見(本会)8/3

 未成年者喫煙禁止法第四条(煙草又は器具を販売する者は満二十年に至らざる者の喫煙の防止に資する為年齢の確認其の他の必要なる措置を講ずるものとす)の「年齢の確認其の他」が,「年齢の確認又は(or)其の他」と理解され,「年齢の確認」をせずとも未成年者喫煙禁止の表示・明示の自販機へのステッカーなどの貼付でも可と解釈されて法の抜け道を認める結果となっている詭弁があるケースがあるように思われ,未成年者がタバコを買うことを防止・阻止するという法の趣旨を根本的に損なっていることが危惧される。警察庁が「年齢確認のみならず…(略)削除することは不適当である。」と明言されるのであれば,未成年者喫煙防止・阻止の実効性のために,第四条を「煙草又は器具を販売する者は満二十年に至らざる者の喫煙の防止に資する為年齢の確認を講ずるものとす」,あるいは「年齢の確認及び(且つ,and)其の他の必要なる措置」と明示する法改正が適当・妥当である。

内閣府からの再検討要請文8/5

 要望者から、以上のような再意見が提出されておりますので、ご検討の上ご回答をお願いいたします。

警察庁再回答8/12

 自動販売機による販売が行われている前提において、厳密に年齢確認の措置を講ずることを実効性をもって法律に規定することは困難であると考えられ、年齢確認、未成年者にはたばこ等を販売しない旨の掲示、従業員に対する研修等の対策を総合的に講じていくことが必要である。

 

(4)具体的事業の実施内容

本法第4条の年齢確認をする対面販売を基本とすることにより,未成年者のタバコ購入の防止効果があがることが期待できる。

 

(5)要望理由

 2001年に本法に年齢確認措置の第4条が新設されたが,「其の他の必要なる措置」により,対面販売は名目だけとなり,未成年者はタバコを自販機によりほぼ自由に購入できる状況がある。これは未成年者の遵法精神をも蝕んでいる。

 2004.6.28の第8回たばこ事業等分科会で,本法所管の警察庁生活安全局少年課少年保護対策室長は「未成年者による喫煙を防止するためには、たばこの販売にあたって、販売事業者が顧客に対面し、未成年である疑いがある場合には年齢確認の措置を確実に講じる必要があると考えております。自販機による販売につきましては、対面による販売と異なり、年齢確認を確実に行うことができないので、警察庁としては、たばこの販売方法としては適当ではないと考えております。」と発言しており,年齢確認の遵守を阻害する「其の他の必要なる措置」を削除する法改正が必要である。

 

(6)根拠法令等

・たばこ規制枠組条約(別添16条) 資料1

・未成年者喫煙禁止法(別添4条) 資料2

2004.6.28の第8回たばこ事業等分科会での警察庁生活安全局少年課少年保護対策室長
 発言(別添) 資料4

 

(7)制度の所管官庁

警察庁,外務省

 

(8)その他(特記事項)

●一体的に実施希望事項番号13

 

                要望先頭行へ戻る

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(1)要望事項番号

 

(2)要望事項(事項名)

未成年者喫煙禁止法違反の起訴で略式命令の請求が可能な措置【新規】2009.2.16補充

 

(3)具体的要望内容

未成年者喫煙対策のために,2000年に本法第5条の改正で,タバコ営業者が,未成年者自らが喫煙することを承知してタバコを販売した場合には,罰金が大幅に引き上げられ,50万円以下に処せられることとなった。翌年の2001年に本法に年齢確認措置の第4条が新設されたにも関わらず,これら法改正の実効性が全く上がっていない。これは,本法に関する事件については、少年法第37条の規定により家庭裁判所に対してのみ提起し,全部公判請求をしなければならないために起訴件数が皆無に近いと思われる。50万円以下の罰金刑のような罪の場合には、通常では略式手続により、簡易裁判所に対して略式命令の請求をすることが多いので,略式命令の請求が可能とする措置を採ることとすべきである。

制度の現状(警察庁回答)

 未成年者喫煙禁止法第5条では、「満二十年ニ至ラサル者ニ其ノ自用ニ供スルモノナルコトヲ知リテ煙草又ハ器具ヲ販売シタル者ハ五十万円以下ノ罰金ニ処ス」とされているところ、少年法第37条第1項の規定により、未成年者喫煙禁止法の罪に係る成人の事件については、公訴は、家庭裁判所にこれを提起しなければならないとされている。

対応策[措置の概要](警察庁回答) 

 未成年者の喫煙を防止するためには、未成年者喫煙禁止法に違反する行為について迅速的確な罰則の適用を図ることが重要であると考えられることから、略式命令により罰金等の刑を科すことを可能にすることについて、関係省庁とともに慎重に検討することとしたい。

制度の現状(法務省回答)

○未成年者喫煙禁止法違反事件の公訴は家庭裁判所に提起しなければならない(少年法第37条第1項第1号)

○略式命令をすることができるのは簡易裁判所に限られている(刑事訴訟法第461条)

対応策[措置の概要](法務省回答) b T

○未成年者喫煙禁止法違反事件の送致がなされたときは,検察官において,個別の事案の内容に応じた適切な処理が行われているものと承知しており,同法違反事件が略式手続の対象とされていないことが個々の事件の処理に影響しているわけではないと考えている。

○未成年者喫煙禁止法違反事件について略式命令が認められていないのは,少年法において少年の福祉を害する一定の事件については家庭裁判所に公訴を提起しなければならないと定めるとともに,刑事訴訟法において略式命令は簡易裁判所がこれを行うこととしていることによるものであり,これらの規定の見直しについては,少年法第37条第1項各号の罪に係る事件の公訴・審理の在り方や略式手続の主体・範囲等の見直しの要否という観点から慎重な検討を要するものと考えている。

更なる意見(本会)8/3

 警察庁のご回答のように,「未成年者の喫煙を防止するためには、未成年者喫煙禁止法に違反する行為について迅速的確な罰則の適用を図ることが重要であると考えられることから、略式命令により罰金等の刑を科すことを可能にすることについて、関係省庁とともに慎重に検討することとしたい。」の早期の実現を期待したい。

(1)その後、少年法第37条が削除、家庭裁判所→地方裁判所に管轄移管2008.7施行)
「成人の刑事事件により適切に対処するため、その管轄を家庭裁判所から地方裁判所等へ移管する等の必要がある。」(第37条の削除理由より)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DA406E.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g16905068.htm

この結果、略式起訴がしやすくなって、起訴が増えているかどうか、については現時点では不明です。(2009.2.16更新
(2)
未成年者喫煙禁止法違反で、2007年→2008年は、書類送検(送致)件数 91
323255%増)、送致人員108 394265%増)と激増しています。
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen38/syonenhikou_h20.pdf 45ページ) この激増はtaspo導入によるものと、少年法改正による効果もそれなりにあったように思われます。ただこれらが(略式)起訴に至ったかどうかは現時点では不明です。20098月頃に公表される予定です。(2009.3.16更新

 

(4)具体的事業の実施内容

略式命令の請求が可能とする措置により,タバコ営業者が,未成年者自らが喫煙することを承知してタバコを販売した場合には,50万円以下の罰金に処せられ,処罰が確定した場合には,財務大臣はたばこ事業法31条によりタバコ店の許可を取消すことが出来ることから,未成年者への違法販売対策の実効性が上がり,未成年者喫煙対策が期待される。

 

(5)要望理由

 未成年者喫煙禁止法第5条及び第6条で,タバコ営業者が,未成年者自らが喫煙することを承知してタバコを販売した場合には,50万円以下の罰金に処せられることとなっている。警察がこのような事件を検挙した場合には、検察庁に送致することになる。検察庁(官)は、送致された事件について、起訴するか否か、起訴猶予とするかを独占的に決定することができるが,50万円以下の罰金刑のような罪の場合には、通常では略式手続により、簡易裁判所に対して略式命令の請求をすることが多いが、本法に関する事件については、少年法第37条の規定により家庭裁判所に対してのみ提起し,全部公判請求をしなければならない。そのために起訴件数は皆無に近く,平成元年(1989年)以降これまで15年間,本法により検察官が公判請求(起訴)した事例は1件しかなく,あとは起訴猶予になっていて,警察がどんなに本法で検挙しても,ほとんど全て起訴猶予になっているという実態がある。

 未成年者喫煙対策のために,2000年に本法第5条の改正で,罰金が大幅に引き上げられ,翌年の2001年に本法に年齢確認措置の第4条が新設されたにも関わらず,これら法改正の実効性が全く上がっていないので,略式命令の請求が可能とする措置が必要である。

 

(6)根拠法令等

未成年者喫煙禁止法

第四条 煙草又は器具を販売する者は満二十年に至らざる者の喫煙の防止に資する為年齢
    の確認其の他の必要なる措置を講ずるものとす
2001.12追加)
第五条 満二十年に至らざる者に其の自用に供するものなることを知りて煙草又は器具を       
    販売したる者は五十万円以下の罰金に処す
2000.11罰金額改正)
第六条 法人の代表者又は法人若は人の代理人、使用人其の他の従業員が其の法人又は人
    の業務に関し前条の違反行為を為したるときは行為者を罰するの他其の法人又は
    人に対し同条の刑を科す
2000.11追加)
たばこ事業法

31 財務大臣は、小売販売業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第22
1項の許可を取り消し、又は1月以内の期間を定めてその営業の停止を命ずることができる。

    9.未成年者喫煙禁止法(明治33年法律第33号)第5条の規定に違反して処罰され

たとき。

   10.法人であつて、その代表者のうちに第1号、第6号又は前号に該当する者があるとき。

 

少年法 (資料5)

37 次に掲げる成人の事件については、公訴は、家庭裁判所にこれを提起しなけれ

     ばならない。 1.未成年者喫煙禁止法(明治33年法律第33号)の罪

 

 (7)制度の所管官庁

警察庁,法務省

 

(8)その他(特記事項)

・財政制度等審議会たばこ事業等分科会(第8回)議事録(平成16628日)での
 保住・警察庁生活安全局少年課少年保護対策室長の発言(別添) 資料4

●一体的に実施希望事項番号12

 

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(1)要望事項番号

 

(2)要望事項(事項名)

タバコ対策費へのタバコ消費税の充当措置【新規】

 

(3)具体的要望内容

タバコ消費税の一部を,タバコの健康対策費用,タバコ耕作の転作費,タバコ販売店などの転業支援費に充て,タバコ対策の進捗をはかるべきである。

対応策[措置の概要](内閣府回答) 

 本件要望は、たばこ消費税を財源とした財政措置を求めるものであり、規制改革要望の対象とはなりません。

更なる意見(本会)8/3

 未成年喫煙者から徴収されるタバコ消費税は,本来違法行為による税なので,没収されるべきものです。この没収相当額は,未成年者喫煙の補導者数,あるいはJTによる成人喫煙率調査と成人喫煙者本数,及びタバコの販売実績数から推計される未成年者喫煙本数を使えば算出可能です(少なくとも300億円前後以上)。この没収相当額は,交通反則金収入を原資とする交通安全対策特別交付金と同様に,一般財源から未成年喫煙防止等の対策基金へ振替えることは合理的で,対策のプログラム運営に充てることを要望します。本内容は税制に関わるものではなく,違法な没収相当額の振替えなので,要望対象になり得ると考えます。

内閣府からの再検討要請

 なし

 

 

(4)具体的事業の実施内容

喫煙者,受動喫煙者,未成年喫煙者,タバコ耕作者,タバコ営業店なども,たばこ規制枠組条約に沿ったこれら禁煙推進施策により,国民の健康的な生活基盤が確保される。

 

(5)要望理由

たばこ規制枠組条約第17条では,タバコ関連の転業支援として,タバコの労働者,耕作者,販売業者のために,経済的に実行可能な,代替活動を促進する,とされている。たばこ規制枠組条約の趣旨に添って,国民の健康づくりを進めるためには,タバコの健康対策費用を含め,タバコ耕作の転作費,タバコ販売店などの転業支援費に,タバコ消費税の一部を充てるべきである。そのためにタバコ税率を上げることも選択としてあり得る。そのためにタバコ消費が減っても税収は増えることが試算されている。

 

(6)根拠法令等

たばこ規制枠組条約(別添17条) 資料1

 

(7)制度の所管官庁

財務省,外務省

 

(8)その他(特記事項)

・新聞記事
 石弘光中央大教授(税制調査会会長)「喫煙大国日本−禁煙強化へ
4つの提案」
 (2005.5.11読売新聞論点,別添) 資料14
 大島明(日本禁煙推進医師連盟会長)「たばこ規制枠組条約発効を機に,たばこ増税で
             青少年守れ」(2005.5.26読売新聞論点,別添) 資料15

●一体的に実施希望事項番号6

 

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