最高裁人能A第3号

(人ろ−7)

平成15年7月31日

 

高等裁判所長官 殿 

  

地方裁判所長  殿 

 

家庭裁判所長  殿

 

         最高裁判所事務総局人事局長

 

 最高裁判所事務総局経理局長

 

 

裁判所における喫煙対策に関する指針について(通知)

 

裁判所における喫煙対策について,国民に利用しやすい裁判所の実現の一助とす

るとともに,職員の健康の保持増進及び快適な職場環境の形成の促進を図る観点か

ら,別添(下記)のとおり「裁判所における喫煙対策に関する指針」を定めました。

ついては,これに基づいて受動喫煙の防止対策等を積極的に推進するようお取り

計らいください。

なお,平成9年10月30日付け最高裁人能A第5号人事局長,経理局長通知「

裁判所における喫煙対策に関する指針 について」による取扱いは,廃止します。

 


     (別添)

裁判所における喫煙対策に関する指針

           (運用通知は別紙

1 目的
 

この指針は,各庁において,裁判所庁舎内における受動喫煙の健康に与える影

響等を排除するために講ずべき対策(以下「受動喫煙防止対策」という。)及び

禁煙を必要とする者等に対し禁煙を支援するために講ずべき対策(以下「禁煙サ

ポート対策」という。)を示すことにより,国民に利用しやすい裁判所の実現の

一助とするとともに,職員の健康の保持増進及び快適な職場環境の形成の促進を

図ることを目的とする。

 

2 受動喫煙防止対策
 

1)基本的考え方

ア 受動喫煙を防止する方法としては,「庁舎全体を禁煙とする方法」(以下
 「全面禁煙」という。)と「庁舎内に設けた一定の要件を満たす喫煙室又は

喫煙コーナー(以下「喫煙室等」という。)のみで喫煙を認める方法」(以

下「空間分煙」という。)とがある。

裁判所庁舎内においては,少なくとも空間分煙は確保されるよう具体的対

策を講ずるとともに,可能な範囲で全面禁煙の方向で改善に努める。

イ  受動喫煙防止対策が実効性のあるものとなるためには,喫煙者は受動喫煙

が非喫煙者の健康に重大な影響を及ぼすとともに,不快感等を与えることに

より非喫煙者の心理面にも影響を及ぼすことを認識し,率先して受動喫煙の

影響の排除に努めることが重要である。
 

2)喫煙室の設備等

 空間分煙の場合,庁舎内に喫煙室を設けることとし,それが困難であると

        きは,喫煙コーナーを設ける。

また,可能な範囲で喫煙所を庁舎外敷地内に設けることが望ましい。

イ  喫煙室には,たばこの煙が当該喫煙室外に拡散する前に吸引して庁舎外に

 排出する換気扇等排気装置を設置する。空気清浄装置が設置されている喫

      煙室であっても,換気扇等の庁舎外への排気装置を併せて設置する。

    喫煙コーナーは,事務室,会議室及び食堂以外の場所で,職員等の使用が
        一時的・短時間であるなど,受動喫煙の影響が比較的小さい場所に設ける。

        その際,妊婦及び呼吸器・循環器疾患等を持つ者には特に配慮する。

また,喫煙コーナーには,たばこの煙が漏れないように,当該喫煙コーナ

 ー以外の場所から仕切るための設備を設置するとともに,たばこの煙が当該

 喫煙コーナーの外に拡散する前に吸引して庁舎外に排出する換気扇等排気装

 置を設置する。空気清浄装置が設置されている喫煙コーナーであっても、換

 気扇等の庁舎外への排気装置を併せて設置する。
 

(3) 庁舎内の空気環境の測定

庁舎内に喫煙室等を設けた場合には,たばこの煙の影響を把握するため,当 
該喫煙室等とその周辺の浮遊粉じん及び一酸化炭素の濃度を測定し,また,喫

 煙室等から非喫煙場所へのたばこの煙やにおいの漏れを把握するため,非喫煙

 場所から喫煙室等への気流の風速を測定する。
 

(4) 受動喫煙防止対策の推進

ア  各裁判所の長は,受動喫煙防止対策に強い関心を持ち,この指針を周知徹

  底させ,率先して実施するとともに,アンケート,懇談会等を活用し,職員

  の自主的・積極的な協力を得るように努める。

 職員は,この指針を遵守し,受動喫煙防止対策に積極的に協力する。

 来庁者等には喫煙場所を知らせて理解と協力を求める。

エ  この指針に示した受動喫煙防止対策は,職場の状況を踏まえ,速やかに実

  施するよう努める。
 また,庁舎の新築,増改築等に当たっては,この指針に配慮して行う。

オ  この指針に示した受動喫煙防止対策以上の措置を既に実施している場合は,

  引き続きそれを推進する。

 

3 禁煙サポート対策
 

1)基本的考え方

 各裁判所の長は,喫煙者に対して,喫煙が健康へ与える影響を再認識した

 上で喫煙の継続について自主的に判断できるよう必要な知識,情報等を提供

 するとともに,禁煙の必要な者や禁煙を希望する者に対して,禁煙を支援す

 るための具体的対策を講じることが適当である。
 

2)具体的対策

 ア 喫煙と健康に関する研修,講習会等を開催する。

 イ 職場における健康診断,健康教育等の機会をとらえ喫煙の影響について

 の情報提供を行う。

 ウ 禁煙サポートの実施に努める。
     健康診断の結果,禁煙の必要な者及び禁煙希望者に対して,医師,看護

   師等による保健指導を実施するとともに,禁煙プログラムの紹介等必要な

     禁煙指導に努める。