2023年8月25日 22時16分 朝日 https://digital.asahi.com/articles/ASR8T7CY1R8TUHBI03K.html
ウクライナ政府は24日、日本たばこ産業(JT)の子会社「JTインターナショナル」(JTI)を「戦争支援企業」のリストに加えたと発表した。「ロシアでビジネスを続けて多額の税金を納め、侵略国の経済を支えている」と批判している。
リストに日本企業が入るのは初めて。JTは取材に、ウクライナ政府の決定を承知しているとした上で、「ウクライナにおける我々の事業は通常通り行われ、我々はウクライナ経済への貢献、支援を必要とする人びとへの援助の提供を続けていく」とコメントした。
ウクライナ政府の発表によると、JTIはロシアでウィンストンやメビウスといったブランドを展開。たばこ市場で34・9%のシェアを占め、「過去20年間でロシア経済への投資額は46億ドル(約6700億円)を超えた」という。
発表は、JTIの代表者がロシアでの新たな投資とマーケティングをやめたと主張したと記す一方、「ロシアでの製造と販売を続けている」と批判した。
「戦争支援企業」のリストは、民間企業のコンプライアンス(法令や社会規範の順守)を担う国家汚職防止庁(NAPC)が作成したもので、JTIはフィリップ・モリス・インターナショナルとともに指定された。公表リストによると、36社が名を連ねており、中国企業が最も多い。(ロンドン)
ウクライナ政府 JT海外子会社を「戦争支援者リスト」に
2023年8月26日 6時47分 NHK ウクライナ政府 JT海外子会社を「戦争支援者リスト」に | NHK
ウクライナ政府は、JT=日本たばこ産業の海外の子会社が、軍事侵攻を続けるロシアで事業を継続しロシアを経済的に支えているとして「戦争支援者」のリストに加えたと発表しました。日本企業の子会社が指定されるのは初めてです。
ウクライナ政府は、ロシアで事業を続け税金の支払いなどを通じて軍事侵攻を支えているとみなした国際的な企業を「戦争支援者」として公表し、ロシアでの事業の停止や撤退を迫っています。
ウクライナの国家汚職防止庁は24日、JTの海外の子会社であるJTインターナショナルと、アメリカのフィリップ
モリスの2社を「戦争支援者」のリストに新たに加えたと発表しました。
このうち、JTインターナショナルについては、ロシアのたばこ市場でのシェアが34.9%と最も高く「ロシアのたばこ産業への最大の投資者で、主要な納税者だ」と指摘しました。
そして、2021年には、この企業から戦闘機100機を購入できるおよそ36億ドル、日本円でおよそ5200億円がロシアの国家予算に直接、入っているとして「企業の代表は、ロシアでの新たな投資とマーケティング事業を停止したとしているが、ロシアでの製品の製造や流通を続けている」と非難しています。
「戦争支援者」には、これまでに中国やアメリカなどに本拠地を置く30社以上が指定されていますが、日本企業の子会社が指定されたのは初めてです。
JT「必要な支援でウクライナ経済に引き続き貢献」
JTは「ウクライナ政府の決定については承知している。ウクライナでは今も通常どおり事業を行っていて、必要な支援によってウクライナ経済に引き続き貢献していきたい」とコメントしています。
参考
・2023.08.24 ウクライナ政府機関、日本たばこ産業とフィリップモリスを「戦争支援者」リストに追加(ukrinform) 参考:JT:ロシア事業は継続(2023/7/7)
・2023.07.12 ロシア撤退の約束破ったと欧米の大手企業に非難の声、「恥であり道義に反する」/JT:ロシア事業は継続(cnn、共同)